2番目の会社の原価計算は、
標準原価計算を採用していたもんで、
売上原価の概念が分かり易いようで、
分かりにくい。

製品それぞれに年度当初ですでに決められている
標準原価金額があり、その製品が売上計上されれば、
それに該当する原価(標準原価)が、
これまた計上されると言う按配だ。

ただ、標準原価と実際原価との差額も同時に
売上原価勘定の中で、計上されている。
それが、購入時における原価差異だったり、
人件費、固定費の差異だったりもある。

一般的かどうかわからないが、
簿記3級での売上原価の算出方法は、
必ず、決算期末に棚卸実査を行い、
その結果の実査数値が示されている。

端的に示せば、
当月の売上原価は、
月初在庫金額+当月投入(仕入れ)金額ー月末在庫金額=
当月売上原価(払出原価)
となる。

別の式に直せば、
月初金額+当月投入(仕入)金額ー売上原価(払出)=月末金額
となる。
(こっちの方がわかりやすいかも)

となると、
月末の在庫金額いかんによっては、
いかようにも売上原価金額が変動するのかもわかる。

月末在庫が、多くなれば、売上原価は少なくなるし、
月末在庫が少なくなれば、当然売上原価も多額になる。

となると、月末在庫金額の把握がいかに重要に
なってくるかもわかってくる。
だから、会計士も立ち会って、棚卸実査の手順が
正しく行われているか、不正はないかチェックしているのだ。

こういったことが、ようやくわかってきたのも、
アラカンが3番目の会社に中途入社してからだった。

アラカンはずっと標準原価計算しかやっていなかったので、
当初この会社に、月初製品、月末製品という勘定科目が
あることに驚いたのだ。
月次決算で、月初、月末をひっくり返してしる仕訳の意味も、
当初はよく理解できていなかった。

何年かしてから、簿記3級でよく出てくる8桁精算表とかの
意味と、月初、月末をひっくり返して、月末数値を建て直す意味が、
ようやく、アラカンの頭の中で、結びついてきたのだった。


長い道のりだった。
ここまで来るのに。

そういうことからすると、
3番目の会社(アラカンが定年までいた会社)は、
簿記の教科書に出てくるような、
簿記の教科書に忠実な会社であったのでないかと思う。
(まあ当然といえば、当然なのだが。)

この考え方(月初+投入ー払出=月末)は、
経理の中の他分野でも同じようなことが言える。
それが、固定資産のところだ。

2番目の会社時代に、アラカンはこの固定資産のところで、
大きなミスをしでかした。

そのあたりの話は、次回のこのブログで。