先日BSで「ライオン/25年目のただいま」を
やっていたので、何気なく録画して置いて、
最近ようやく全部見れた。


あっという間に映画に吸い込まれ、
胸ぐらを捕まえられ、
胸をえぐられ、
心臓を取り出されるような感動だった。

インドという人口が多く、治安の悪い国では
ありえる話だなあと、他人事のように思ってしまう自分が
いることも事実だった。

自分の感情が入ったり、出たり。
複雑な気持ちが入り混じる。

5歳の男の子が、兄に連れられ、
ベンチに置いてけぼりにされてしまい、
そのまま寝入ってしまい、その後目が覚め、
戸惑い混乱し、目の前にあった列車に飛び乗ってしまい、
(どえらい)迷子になってしまうというストーリーだ。

5歳の子に、どれほどの記憶力があるのだろうか?

お母さんの名前、家族の名前。
自分の住んでいる町の名前、駅の名前。
自分の名前すら間違って覚えていたという最後のオチまである。

さらに悪いことに、飛び乗った列車が、はるか遠いところまで、
回送列車として走ってしまったことだ。
ごく普通の通勤列車とかなら、近くいる大人がなんとか
しただろうが、回送列車だもんで、誰も乗客はいないし、
駅にも止まることもなかった。

自分の住んでいたところから、何千キロも離れた所に
降ろされたはいいが、そこから元のところへは戻れないのだ。
5歳の子供の力ではもうどうすることもできなかった。
ここから悲しい話が、延々と続く。

寝ても覚めても、母と兄のことを思い出す。
母と兄たちが、今も自分のことを必死になって探していると思うと、
胸が裂ける思いがしている。
自分が今ここにいるよ、今はなんとか幸せに暮らしているよ、
と伝えたくて仕方がない気持ち。
その彼の強い思いが、画面からひしひしと伝わって、
見る側も、本当に辛い。

自分が本当の母親を日夜探していることが、
育ての親に対する申し訳なさを感じてしまうジレンマ。

あまり事件性もないし、ハプニングもトリックもない映画。
会話も少ないし、淡々と流れていく映画だが、
こんなことが世の中にはあり得るんだと、身につまされた映画だった。

ふと何年か前の、神奈川県のキャンプ場での
女児失踪事件ともダブってしまう。