作詞家のなかにし礼さんが、昨年12月に亡くなって
いたことを知ったのは、先日のBSの番組で、
彼の特集をやっていたからだ。


彼の死をマスコミが報道していました?

情熱あふれる昭和の作詞家だ。
阿久悠さんも偉大だが、彼も偉大だ。

阿久悠さんとは違ったテイストなのだ。

昭和の情念を感じる彼の曲。

例えば、1970年のいしだあゆみさんのこの曲、
「あなたならどうする」
あなたならどうする
泣くの歩くの 死んじゃうの
あなたなら あなたなら

死んじゃう なんて言葉は、今じゃあそうそう出てこないが、
この時代は、いやなかにし礼はよく使っていた。

他にもある。
弘田三枝子さんの「人形の家」。
この詩にこんなくだりがある。

私は あなたに 命をあずけたーー

由紀さおりさんの「手紙」でもそうだ。

死んでも あなたと 暮らしていたいと

情熱あふれる言葉ばかりだ。

そして、こうも彼は言っていた。

歌を書く時とというのは、
僕たちは、ある別世界に行って
そこで、神様とは言わないけれど
もっと霊的なものと対話を交わして
やるだけの努力してやって帰って来て
歌が出来ているわけ。

それを、ついさっきまで台所にいて着替えて
サンダル突っかけて
トコトコ地下鉄の階段の上がってきて
スタジオに来た人間が
ぺろって歌えるなんてそんな歌じゃないのよ。
腹くくってくんないと

そんな彼の言葉に、久しぶりに心が震えた。

謹んで彼の死に 哀悼の意を表します。

また昭和が、一つ消えて行った。