あらかん家は、昔から、
元々パン食家庭ではなかった。

あらかんの今は亡き母親は、パンはその時は
お腹一杯になるけど、すぐにお腹がすくよって
よく言っていた。

だから、あらかん家ではずっとご飯食が
主流だった。
パンは、もっぱら「おやつ」という位置付け
なのである。

そんなだから、まだ中学生のあらかんは、
パン食に多大な憧れを持っていた。

あるとき、昼食に弁当持参という時があって、
この時ぞとばかりに、昼食にパン🍞を持っていきたいと
母親に進言したら、まあ快く?承諾してもらえた。

どんなパンを、どれだけ買ったら満足がいくか?
そんな事ばかり考えていた。

結局、近所の駄菓子屋で、美味しそうで、
どでかいパン2つを買い込んだ。
まだあらかんも子供だもんで、
同じようなパン2つを買ってしまった。
これが大きな失敗だった。

パンの上に甘い砂糖とか、甘いクリームが
掛かっている菓子パンなのだ。
まあ、食べ始めはいい。
問題はそのあとだ。

甘さばかりの菓子パンだもんで、
食が進まないのだ。
そいでも、無理矢理に大きな菓子パン2個は
何とか完食できたが、この甘さゆえの菓子パンが
食べれない記憶は、今でも鮮明に残っている。

だから、と言う訳でもないだろうが、
今では、菓子パンはもっぱらシンプルな味、
クルミパンとか、レーズンパンとが好きだ。
おっと、つぶあんも好きだな。
ときどきは、りんごが入っているのも食べたくなるなあ。
なーーんだ。結局何でも好きじゃん。

でも、あらかんの中では、いつまで経っても
絶対に主食の地位には
上がれない悲しい「菓子パン」たちなのである。