別にこの映画に興味があったわけではないが、
何となくビデオに入っていたので見てみた。

当初は、宝くじで当たった3億円を友人に持ち逃げされて、
単にそれを取り返す単純な物語かな?と思っていた。

しかし、実際には奥が深かった。

たとえば、主人公とお金を持ち逃げした友人の名前だ。
主人公が、「一男(かずお)」、
友人が「九十九(つくも)」。
この友人が、ラストシーン近くで言うセリフにこんなんがあった。
「ぼくは、お金を意味を99まで見つけていたが、
あと一つが大事だったんだ。
あと一つを、一男君が教えてくれた。」
あああ、そういうことね。
こんなんを結びつけていたんだ、とね。

他にもある。

落語で有名な「芝浜」というお題の落語を、この映画の根底に
敷いているようなのだ。

ある日突然に、今まで手元にあった3億円という現金のかたまりが、
ある日突然信頼していた友人が持ち去ってしまうのだ。
お金を失ったことが、ひょっとして自分が夢を見ているのか、
現実なのかがわからないくらい、現実と夢が交錯していく。
実際、主人公とお金を持ち逃げした友人は、大学時代に
落語研究会に所属していて、「芝浜」という落語をやっているシーンも
出てくるのだ。
ほおおん、芝浜ともこの映画は、かけているのね、なんて思ったりもした。

さらに驚くことに、実際にラストシーンでは、地下鉄品川駅で友人が下車して
いくシーンでは、まさに落語「芝浜」とかけているとしか言いようがなかった。
(芝浜は、今の品川付近の海岸べりが題材とも言われる)

ただ、こんな奥深くまで視聴者に読ませてどうするんですか?
こんなにひっかけリーチみたいな映画で、どうですか?

と思ったりもしたが、なんのなんの、
意外とお金の意味について考えさせられましたよ、
ちゃんちゃん。