大学二年生という、

本来なら「青春」という言葉がぴったりな時期。

 

その大切な時間を、

娘はまるで人生をドブに捨てるようなことに使っていました。

 

大学二年の前期。
成績と出席率を見て、私は言葉を失いました。

まず、単位が取れていない。
というより、大学に通っていなかったのです。

 

そして同時に、娘は借金地獄に陥っていました。

原因は、メン地下とアイドルの推し活。

 

……と書くと、

すべてメン地下のせいのように聞こえるかもしれません。

でも本当は違います。

見境なくお金を使い、足りなくなり、借金をした。
すべて本人の問題です。

今はそう思っています。

 

意識の甘さ。
気持ちの弱さ。

その結果だったのだと思います。

 

娘はメン地下通いと同時に、

アイドルの推し活も続けていました。

 

メン地下は、ライブ代にワンドリンク代。
特典会のチェキ代。

少し大きなイベントになると「動員」というものがあり、
招待客を呼ぶために、

別のメン地下のライブに協力して行くこともあるそうです。

 

そして、それとは別にアイドルの推し活。

コンサートはもちろん、全ステするためのチケット確保。
ファンクラブ会員の複数加入。
公式グッズの大量購入。
遠征。
推し活用の写真を撮るためのおしゃれなカフェや食事。

 

とにかく、時間もお金も惜しみなく使っていました。

 

大学二年生という大切な時間を、

ほとんどすべて推し活に費やしながら。

 

そして金融機関からの借金。

私たちが気づいたときには、
すでに三桁に達していました。

 

クレジットカードはブラックリスト状態。

 

完全に、取り返しのつかない状況でした。

 

「こんなことになる前に、親が止めるべきだったのでは?」

そう思う人もいるかもしれません。

もちろん、私たちも動きました。

 

旦那さんは、新幹線に乗って何度も娘に会いに行きました。

寒い日でも、一日中外で娘の帰りを待ち続ける。

それでも、会えない日もありました。

私が行くと、かえって揉めてしまうから。
そう言って、旦那さんが一人で動いてくれていました。

 

でも、旦那さんの心が先に限界を迎えてしまいました。

メンタルクリニックへ通うことになったのです。

 

それも無理はありません。

娘から暴言を浴びせられ続け、
さらには、娘に会いに来てくれた祖父母の前で――

祖父に向かって

『死ね、クソジジイ』

と言ったのです。

 

目の前でそんな言葉を聞かされて、
平気でいられる人はいないと思います。

 

そこで、今度は私が動きました。

祖父母にも迷惑をかけ、
家族みんなが傷ついている。

何とかしなければ。

そう思い、ずっと避けられていた私でしたが、
勇気を出して娘に連絡を取りました。

 

すると返ってきたのは、

 

『お前のせい』
『お前は毒親』
『お前みたいな底辺の人間がしゃしゃり出るな』

 

という言葉でした。

 

そのとき、私の心は壊れました。

 

旦那さんに付き添われ、

私もメンタルクリニックへ行くことになりました。

 

診断は――

鬱病でした。

娘の言葉が頭から離れず、
眠れなくなりました。

 

そして、

「私の子育てが全部間違っていたんだ」

と、自分を責め続けました。

何度も、何度も。

そしていつしか、

「消えてしまいたい」

そう思うようになっていました。

 

鬱病は、
本当にふとした言葉がきっかけで、

誰にでも起こりうる病気です。

 

この出来事をきっかけに、
私たち親子の関係は完全に壊れてしまいました。

 

娘は、大学二年の後期から休学しました。

休学は、旦那さんの希望でした。

 

もし万が一、
娘が昔のようにやり直そうと思ったとき、
大学という道が残っていないと路頭に迷うのではないか。

そう考えたからです。

 

でも、今思えば――

このとき、休学ではなく退学にしておけばよかった。

心からそう思っています。

 

結局ここから、
さらに深い闇へと進んでいくことになるのです。