所謂無敵の人だった。

今日は実は母親の誕生日でもあるのに、こんな事を書くのは本当に性格が悪いが、私はもう実家はないもの
(妹は別格)として生きている。

親はある日いきなり、私よりも大事な場所ができてしまって、周りから何を言われても、何よりもその場所が一番大事になってしまった。

高校生から、家庭が複雑な中生きていると思っていたが大人になって、私は毒親サバイバーというものに分類されるのだと知った。

お正月やお盆に帰る気さえ起こらないし
なんなら緊急連絡先も、違う知人達を頼っていたりする。なにかLINEが来ても未読スルー。
最近は、Facebookもブロックした。

私は本当に家族がその場所に関わる事が嫌で苦痛で仕方ない。キラキラ楽しそうに、でも何故か目の奥が死んでいる人達の集合写真は見るだけで吐き気がこみ上げてくるからだ。


帰る場所のない私は、好きなことをして生きてはいるが、それだけではまだ食えていない。

あと少し、本当にあと少しで実は舞台の集客と物販売り上げで1カ月くらいは生きられそうなのだけれど、あと1歩届かない。

それなのに、社会的に、会社勤め、というものが出来ない出来損ないだったりする。


満員電車に乗ると、色々な人達の苛立ちや疲れを一気に拾ってしまい、実際の人混みの圧よりもその感情に押し潰されて、毎日朝の満員電車の時間帯に電車に乗れない。

ため息、表情、それだけじゃなく、満員電車の中、喧嘩や荒げた声が聞こえた日には萎縮して息が苦しくなる。最近は抵抗できるようになったけれども、ちょっと前まではそれだけで倒れていた。


奨学金は親が使ってしまった。
それなのに私が長い時間返していかなければならない。払う、と言ってはくれるものの、数年前にお金絡みでお前の親が実家の家賃を払っていないだとか、おじさんが保証人になってる、お前がなんとかしろ、そういう親戚の争いに軽く巻き込まれて、もういいやと諦めてしまった。

私には家族などいない、だから面倒なことにはもう巻き込まないでくれ、と。

家族というものに絶望どころか、諦めを持つようになった。

社会的にも役に立たず、帰る場所もない、無敵の人が起こすニュースを見るたびに、少しだけ「もうどうなってもいい」の感情も理解してしまう自分がいたし
幸せそうな家族連れを見ると、なんで私はあれが手に入らないのだと泣いたし、恨んだ。


20歳の頃、親が夢中になっている場所の正体を知った時、文字も読めなくなるほど重度の鬱になった。


今も後遺症でものの数を数えたり、数字が絡む作業をするときは酷く疲弊したり、ピリついたりしてしまうし、人の何倍も時間がかかってしまう。


自分には悪い部分が沢山だから治さなければならない、という強迫観念に駆られて、精神安定剤を通常の何倍もの量を飲んだ時期もあった。


お酒との組み合わせなんてしょっちゅう。

所謂OD常習者だった。

どうなってもいい。

本当にそうなっていたし、大事な人や悲しむ人がいるよ!なんて言われても、ピンとこなかった。

匿名掲示板ではブスやいらないと書かれ
社会不適合者で、帰る場所もない、こんな私なんてどうなっても構わない。と。


それなのに死にきれない意気地なしが
なんだかふと、自分の好きなことで少し冒険したくなって、実験的な団体を立ち上げた。

2回目の公演くらいからだろうか。
私が作ったものに、共感したり、救われたって声をくれる人達が現れた。

2回目の公演は特に、自分の中で自分を消えてしまえと言ってくる存在と向き合って作った作品だった。

あの感覚は、私だけではなかったと知った。
そのあたりくらいから、感情が暴発した時に薬を飲む頻度が減った。

最近になって、更に私の作るものを面白いと言ってくれる仲間が増えた。

なんだか、その人達と一緒に生きていきたくなった。

アンチの声とも沢山向き合ってきたけど、ちゃんと向き合って本人たちには理由も話した上でブロックをした。エアリプ爆弾を投げてくる人には自分から近づいた時にブロックされたりもしたけど(苦笑)

結果的に遠くから文句をいう声が聞こえなくなった。

そしたらすごく、応援してくれる人達の声が聞こえるようになった。

初めは無謀な挑戦だと思ったCFも、ありがたい事にあと16万くらいで100万に到達する。

こんなにも私の作るものに応援してくれる方がいるのだとダイレクトにわかった。

更に、仕事関係者でも支援したり、私のやりたい事をしっかりと応援してくれる人達が現れた。

今までは見れなかった景色だった。

いつも私が作るものや、関わる舞台に、救われました!とか、色々支えになりました!と声をくれるけれど、私は私を応援してくださってる方達に何よりも救われている。

お金を使わせてしまっているのに申し訳なさを感じるときは多々ある。

でも、その分いつか、この人を応援していて正解だという思いとか、もっと素敵な体験や作品を届ける事で返したい気持ちしかない。

メンバーも増えた。
本当に素晴らしいメンバーなので、全員一気に売れてくれ、と思っているし、私に出来る事は何でもしたいし、ちゃんとチャンスがあれば皆に回したいとも思う。

まだ食えてないけど、スケジュールが空いてる、と知るや否やプロデューサーさんのところに連れて行って
久木田さんのスケジュール空いてるそうです!!!と一度だけでなく、何度も使ってくださる方達も身近にいてくれて、そういう方達には自分の仕事と、集客、両面でしっかり返したい。

過去共演者の皆様に会えば
嬉しそうに抱きついてくれる人たちや、ご飯行こう!って言える人達が本当に増えた。
会えなくても、また会いたい人達がいっぱいいる。


2020年に入る前、沢山悩んだのは全て精算だったんじゃないかと思うくらい、今すごく周りがよく見えるし

あぁ、この人達と一緒にやりたい事沢山あるなぁって思ったし、この人達を悲しませたくない。という気持ちがすごく強くなった。


もうすぐ引越し。

それを機会に薬は全部捨てた。


私はもう、無敵じゃない。
けれど、一番今が幸せだ。