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片山さつき財務相は18日(日本時間19日)、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれたパリで記者団に、先端AI(人工知能)について「G7で協調対応することで一致した」と語った。6月の首脳会議(サミット)に向け「具体策をまとめる」という。
G7財務相会議は同日開幕し、19日に共同声明をとりまとめる。6月中旬に仏エビアンで開く首脳会議での成果につなげたい考え。4月に米ワシントンで開催した財務相会議では、共同声明を見送っていた。
米新興企業アンソロピックが開発した「Claude Mythos(クロード・ミュトス)」を念頭に、新型AIによる金融システムのサイバー攻撃リスクへの対処について議論した。
片山財務相は「G7として専門家も交えサイバーリスクへの状況把握と対応策を共有し、具体策をまとめていく」と話した。
中東情勢に関しては、世界経済への影響が4月時点の見通しより悪化しつつあることを前提に議論を進めた。海上輸送の要衝ホルムズ海峡は事実上の封鎖が続いている。
片山財務相は「肥料の供給網の対応の必要性を話し、肥料回廊をつくるべきだとの話も出た」と明らかにした。肥料を運ぶタンカーがホルムズ海峡を優先的に通航できるようにすることなどを検討する。
中国が輸出規制などで経済的威圧を強める重要鉱物については、特定国に依存しない供給網づくりを進めることを確認した。
18日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2.8%まで上げ、29年半ぶりの高さとなった。片山財務相は各国でも債券市場で金利上昇が起こっているとしたうえで「中東情勢から来ているという認識のもと、注視しなければならない。投機的だという見方も強かった」と話した。
国内では中東情勢も踏まえ物価高対策を進める動きがある。高市早苗首相は18日、2026年度補正予算案の編成を視野に入れて、財政上の措置の検討に入ったと明かした。7〜9月の電気・ガス代の補助などを見込む。
片山財務相は「金融市場のリスクなども全体的に見ながら、資金面の手当てを検討していく」と話した。
18日の東京外国為替市場では一時1ドル=159円08銭近辺と、4月30日に日本政府・日銀が実施した円買い為替介入以来の安値がついた。片山財務相によると、会議では為替介入に関する議論はなかったという。「投機筋の動きなどが続いているため、必要に応じていつでも適切に対応していく」と話した。