岐阜県瑞浪市の市政70周年の記念イベントの一つとして、10月27日まで瑞浪市総合文化センターで開催されている、”みずなみ化石フェスタ”へ行ってきました。^^
オープニングセレモニーでは科博の甲能博士や長谷川博士も参加され、テープカットが行われました。^^
オープン後の会場では研究者による展示解説が行われ、甲能博士、長谷川博士の他、北九州市自然史歴史博物館・岡崎博士や埼玉県自然の博物館・北川博士、瑞浪市化石館の安藤博士らから、貴重な話を聞くことが出来ました。
今回のメイン展示は2022年6月に瑞浪市釜戸で見つかった、柱束目のパレオパラドキシアの全身復元骨格のお披露目です。
全身骨格の後ろには、京都精華大学・小田 隆氏製作の生体復元画が目を引きます。^^
今回発見された釜戸標本を詳しく調べた結果、新しい発見や新たな仮説いくつも出てきたとのこと・・・
まず骨盤にある突起がアシカなどの鰭脚類にのみ見つかっているもので、泳ぐときの脚の筋肉が付着する箇所であることが判ったそうです。
写真:赤丸の箇所がその突起
また右足の裏側にある種子骨という骨が、付いていた位置のまま母岩に保存されていたとのこと。
写真:赤丸の箇所の豆のような骨。
私たちヒトにも、手足の親指の付け根の甲側の骨に2個づつある骨で、靭帯の動きをサポートする滑車のような役割をするのだそうです。
長谷川博士に詳しくお聞きしたところ、釜戸標本で種子骨の形も指の位置で違うことが判ったのと、これだけしっかりした種子骨が各指にあったということは、しっかりと歩いていた可能性があると仰っていました。^^
それと頭骨をクリーニングしたら、舌骨が出てきたそうで、
写真:赤丸の箇所の2本の骨
舌をどう使っていたかとか、鳴き声とかの研究にもつながりそうですね。^^
その他の展示物ですが、クラウドファンディングで作られた産状標本もしっかり展されています。
頭骨と首のレプリカや、軟骨部分の化石。
瑞浪市で見つかっている、様々な化石も・・・
アシカの頭骨レプリカに様々なサメの歯、
汽水域巻貝のビカリア、植物の化石も豊富に見つかっています。^^
各地のパレオパラドキシアの全身骨格も集合していました。
埼玉県の大野原標本
福島県の梁川標本
岡山県の津山標本
梁川標本と津山標本は初見だったので、じっくり観察して来ました。^^
そして午後からは瑞浪市役所ミライ創ろまい課による”化石検定”を受験してきましたよ。^^
瑞浪市役所ミライ創ろまい課は瑞浪市役所と地域の高校、大学による域学連携事業で、瑞浪市の特産でもある化石を使ったイベント展開として、昨年のプレ検定を経て今回の開催に至ったとのことです。^^
試験は事前に勉強をして来ましたが、結構難しかったです。
^^;
各得点数で下位から3級、2級、1級と三段階の認定が取れるそうですが、結果はもう少し先になるそうです。
詳しい内容や会場の模様は東濃ニュースさんのwebnewsに掲載されていますので、ご参考に^^
※赤太字の箇所をタップして頂ければ、リンク先へ飛びます
以上でみずなみ化石フェスタの会場レポは終了です。
関東から行くにはちょっと遠いですが、中部、名古屋圏の方は27日(日)まで開催されていますので、是非素晴らしい標本を見て頂きたいです。
ではまた。^^