夏休み突入前の7月19日、福井県立恐竜博物館で開催されている、”恐竜の脳力”展に行って来ました。^^

実は恐竜倶楽部の行事も重なっていたのですが、21日に仕事が入っていたこともあり、夏休みの混雑を避けるため福井へ突貫して来た次第です。 ^^;

 

では早速特別展の会場へ・・・

まずは現生動物の脳キャストを基に、各部の機能について説明がなされており、従来の恐竜展とは雰囲気が違っていました。^^

 

絶滅生物の脳の状態を知る手がかりは、脳函(のうかん)と呼ばれる脳が収まっていた空洞に、樹脂などを充填し型取ったエンドキャストになるのですが、CTスキャナーが普及するまでは、実際に標本を切断して型取るなど、荒っぽい手法が一般的でした。

 

脳函は実際の脳より一回り以上大きいので、細部の形状や各器官の位置、形は現生生物の脳と脳函を参考にしているとのことです。

まずはタルボサウルス・バタールのホロタイプの頭骨レプリカとタルボサウルスのエンドキャスト。

その隣にはイグアノドンのエンドキャストが展示されていました。

向かい合う壁面には、プロジェクションマッピングによる、ティランノサウルスの頭骨構造と脳の状態が上映されています。^^

 

その奥にはヨロイ竜の展示です。

全身骨格はタラルルスのもので、福井の巡回展示では有名な標本ですね。^^

写真左手奥のケースには、タラルルスのエンドキャストと・・・

常設展で展示されているエドモントニアの実物頭骨が初お目見えしています。^^

体骨格の部分は実物標本+レプリカで組み上がっているのですが、変形していたり、壊れやすい頭骨は、レプリカをそっくり取り付けているそうです。

タラルルスの標本が見つめる先には、ヨロイ竜の脳に関する研究で、解って来たことが記されています。^^

これまでの研究によると、ノドサウルス類とアンキロサウルス類では明確に脳の構造が違っていて、その習性に影響を与えていたらしいのです。

ヨロイ竜自体、脳は小さい部類になるのですが、それでもノドサウルス類は大きい方で、視覚に影響を与える中脳の視蓋と言う場所が発達しているため、視覚に頼った生活をしていたのかも知れません。

実際ノドサウルス類は、海成層や河口付近などの堆積層から見つかることが多いため、海岸や河川敷などの開けた場所で生活していたため、視力で捕食者を避けていたのかも知れませんね。^^

 

夕張で見つかったノドサウルス類も、脳函に大きな視蓋の跡(※発見者の後藤榮治郎氏が所持している標本レプリカにて確認)が見られたので、明確にノドサウルス類と同定出来たのだろうなと、想像しています。^^

 

今日はここまで、つづく・・・