レスポール・ジュニアの思い出 | Mercy,Mercy

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聴いた音楽、観た映画、読んだ本、などの日記です。

高校生の時に学校帰りに友達と一緒に街の楽器屋に自転車で行っていた。
楽器屋とかゲームセンターは僕にとっては不良の出入りする怖い場所だったのであまり行きたくなかったけどどうしても楽器が見たくてたまに楽器屋に行っていた。
楽器屋に行ったところでお金なんかないので何も買えないんだけどそこでフェルナンデスというメーカーのギターのカタログをもらった。
当時のフェルナンデスのカタログはサイズが大きくて分厚くて楽器やアーティストのカラー写真もたくさん載っていて「こ、これただでもらっていいんすか!」って感じのボリューム感だった。

家の自分の部屋で寝っころがってしょっちゅうそのカタログを眺めていた。
その中でも僕が魅了されてしまったのがそれまで見たこともなかった「レスポール・ジュニア」という黄色いギターだった。
人が持ってなさそうな物に惹かれてしまうという性格もありどうしてもそのギターが欲しくなった。

ある日「がらんどう堂」という僕が初めてギター(3800円のクラシック・ギター)を買った店でピーズの『グレイテスト・ヒッツ』を買った。その安かった中古盤ですっかりピーズにやられてしまって今でもピーズ・ファン。その歌詞カードのメンバー3人で映ってる写真の床に置かれてるギターがレスポール・ジュニアだった(!)ますます僕のレスポール・ジュニアへの憧れは強まるばかりなのだ。

その頃同級生とバンドをやっていた僕は通信販売で1万円で買ったレスポール・ギターを使っていた。でもどうしてもレスポール・ジュニアが欲しくてしょうがなかった。
でも今でもそうだけどギターは高価な物で買ってしまってから後悔できないので僕が買うギターはレスポール・ジュニアで間違いないのか、「そんなギター使ってんのかよ」って馬鹿にされたりしないだろうか、当時僕はパンクが大好きだったんだけどパンク・バンドで使っていいギターなのだろうか、そしてどんな音がするんだろうか、と疑問だらけだった。
ちょうど友達が学校に持ってきていた雑誌『バンドやろうぜ』を見せてもらうと「レスポール・ジュニアはルーズなロックン・ロールにぴったり!(例)ジョニー・サンダース、キース・リチャーズ」と書いてあって当時僕はどちらも聴いたことなかったけど「レスポール・ジュニアで間違いなさそうだ!」という気持ちがどんどん高まっていったのだ。
そしてまた自部屋で寝っころがりながらフェルナンデスのカタログを見ながらレスポール・ジュニアを買う決心をしたのだ。

それから1年か2年か忘れたけど、アルバイトなんかしてなかったくせにそれまでの貯金とお年玉やお小遣いで6万くらい貯まった僕は都会に行けばレスポール・ジュニアが買えるだろうと僕は友達と一緒に電車で名古屋の楽器屋まで行った。
そこでもフェルナンデス(バーニー)のレスポール・ジュニアは売ってなくて店員さんと相談してオービルというメーカーのレスポール・ジュニアを注文して帰ってきた。1週間後くらいには念願のレスポール・ジュニアを手に入れたのだ。





昔はジョニー・サンダースやキース・リチャーズが何故「ルーズなロックン・ロール」なのか知らなかった。
最近はレスポール・ジュニアは使ってないけどギター・ソロを弾く時はジョニー・サンダースの真似をして唇をひん曲げることにしている。
僕のギター・アイドル!