初めてのバレンタインデー | Mercy,Mercy

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聴いた音楽、観た映画、読んだ本、などの日記です。

明日はバレンタインデーだ。

僕にとって初めてのバレンタインデーは小学校1年生の時だった。
その日はクラスの雰囲気が普段とは明らかに違い、女子たちは学校に各々チョコレートを持ってはきてきゃっきゃきゃっきゃやっていた。
なんとその中のひとりの女子が僕に渡すためにチョコレートを持ってきているらしかった。
休み時間なんかに何人かで集まってこっちを見てはきゃっきゃきゃっきゃやっている。
僕はドキドキしていた。
女子たちは休み時間も昼休みもきゃっきゃきゃっきゃやってるだけでいっこうにチョコを僕に渡しに来なかった。
僕はドキドキしていた。
そうこうしているうちに下校の時間になり、ついに女子が動いた。
その子は僕の方に来てニコニコしながら少し恥ずかしそうに「クレヨンいる?」と聞いたのだ。
どうやらその子が持ってきたのはクレヨンを模ったチョコらしいのだ。
でも「クレヨンいる?」と聞かれた僕は恥ずかしくて「クレヨンいらない。」と言った。
でもその子は「クレヨンあげるよ。」と言ってくれた。
それなのに僕は一回「いらない」と言ってしまったので「クレヨンはいらない。」と言った。
「本当はクレヨン欲しい!」と思いつつもその子はどうするのかしら、と思っているとクルッと後ろを向いてクラスで一番人気のあった男子にそのチョコをあげて女子たちと帰ってしまった。
僕はひとりで家に帰った。