1月の雨を忘れない | Mercy,Mercy

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聴いた音楽、観た映画、読んだ本、などの日記です。


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冷たい雨が降っている。今年一番の寒波だ。雪になるかもしれない。

雨は本当に冷たかった。僕は夜勤明けでこのクソ寒い雨の中、国道6号線を原付に乗って梅干のような顔して走って帰ってきたのだ。冷たい雨の中僕の頭の中で鳴っていたのは何を隠そう『1月の雨を忘れない』、アルフィーの曲だった。



僕はバンド友達にギターを始めるきっかけなんかを尋ねられた場合いつも「ブルーハーツ」と答えている。でもそれは嘘です…、恥ずかしくて言えなかったけど本当は「アルフィー」でした。小学校5年生の時に『ザ・トップテン』で観た『サファイアの瞳』でエレキギターを弾く高見沢に憧れてギターを弾けるようになりたいと思ったのでしたぽポッ

ちなみに「初めて買ったCD」はアルフィーの『DNA コミュニケーション』というアルバムでした(すげータイトルだな)。それ以前のアルバムは親にレンタルショップに連れて行ってもらいカセットテープにダビングし、古本屋で見つけたアルフィーの自伝的漫画『DREAM GENERATION』もちゃんと読んでいる熱心な〝アル中〟でした。すっかり高見沢に魅せられた僕はカセットテープに合わせて棒をギターに見立てて持ち、蛍光灯の引っ張る紐のスイッチをマイクに見立て高見沢パートでコーラスを取るイカした(?)小学生だったのだ。



中学生になり声変わりが始まるとそれまでできていた高見沢パートでの高音のコーラスが出来なくなっていく、あれこそ僕の思春期そのものだ。あんなに夢中になっていたアルフィーで以前ほど盛り上がれなくなっていく時のもどかしさ。誰にも共感を得られない孤独。自分でも薄々感じる違和感。


中学2年生になり念願のギター(古本屋にぶら下がってたクラシック・ギターだけど)を父に買ってもらった僕はただの棒をギターに見立ててライトハンドしていたときの自由さとはかけ離れたところで『小さい秋みつけた』を練習し始めたのだった。嗚呼、あの日もこんな冷たい雨が降っていたっけ…。いなかったっけ…?