求められる喜び | 永遠に 手をつないで

永遠に 手をつないで

私には20年以上も忘れられない人が居ました。
全ての出会いと再会といきさつと・・・
過去の記憶を綴ります

終わった後。

ベッドに寝そべったまま、金子さんはこんなことを言った。


「お互いに結婚してるから、いいんだよ」


「どういう意味?」


「結婚してるからバレたら困るでしょ?

だからお互いに秘密にするからバレにくい」


「ああ」


「これからも会ってくれるよね?」


「そうだね・・」


罪悪感に押し潰されそうだったのに、

嫌だとは言えなかった。


だって、嫌ではない。


会いたいと思われることは嬉しい。


この日から、私は夜まで仕事が長引く日の帰りには

金子さんと逢瀬を重ねるようになった。


重ねると言ってもたったの数回。


この求められる喜びに憑りつかれてしまったのだ。


毎日、頻繁に送られてくるメールには

ハートのデコメラブラブがいつも付いていて、

好きだ 好きだ のオンパレード。


まさか自分をこんな風に求めてくれる人が居るなんて

少し前までは想像も出来なかったのに。


恋をしているつもりになった。


旦那さんの出張中には、

夜中に「一目だけでも」と無理矢理、会いに来たこともある。

子供が寝ていたので、

本当にほんの2,3分だけ外に出た。


ペアリングもプレゼントされた。

「一生、一緒になることは無いけど、ずっと想ってるから。」

というようなことを言われた。


「こんな風に熱い気持ちになったのは、もう何十年ぶりだろう?」

こう言われた時は、

そんなに私のことが好きなんだ

と嬉しかった。


そんな浮かれた毎日が続くわけがない。


3か月を過ぎた頃から、

金子さんからのメールの数が減り、メールが短くなり、

動くデコメは無くなり・・

「会いたい」と言わなくなった。



浮かれた日々が不安な日々に変わる。