実業之日本社文庫

2022年12月 初版第1刷発行

332頁

 

「針と剣 縫箔屋事件帖」シリーズ第2弾

 

深川の縫箔屋・丸仙の一人娘おちえが倒れたと聞き、往診にやってきた町医者の宗徳は職人の一居の姿を目にした瞬間、取り乱し“武士だったか”とおちえにだけ聞こえるほどの小声で呟きます

翌朝、自宅で謎の死を遂げる宗徳

さらに数日後、今度は宗徳の弟子・堂島が刺殺された状態で発見されます

 

物語はおちえが一居や仙五郎親分らと協力して宗徳の死の真相を明らかにしようとする話しと、おちえが通っていた榊道場の再開の話が描かれます

 

剣才ある町娘、おちえと武士の身分を捨てた職人、一居

2人の関係に進展はみられません

何せ、おちえの夢は自分より強い一居と手合わせを願うことで、そこに色恋はまだ存在しないのです

2人の葛藤と成長を瑞々しい筆致で描く青春ミステリーシリーズとのことなので、まだまだ先の話でしょうか