集英社オレンジ文庫

2017年10月 第1刷発行

250頁

 

「これは経費で落ちません!~経理部の森若さん~」シリーズ第3巻

 

森若沙名子、28歳、天天オーポレーションに入社後、経理一筋6年目

仕事とプライベートはきっちり分けたいと思っています

そんな沙名子に広報課の室田千晶が相談があると言ってきました

 

『怒られること、責められることに異常に弱い人間がいる』

 

本巻では人の悪意に焦点が当てられているのと経理の複雑な話が出てきて沙名子と太陽の恋愛より仕事に重きが置かれています

これまでは、こんな人もいる、こんな程度なら目を瞑って、だったのが今回は結構シビアでした

疑問の残る経理処理を見つけたら、一般的には上司に報告、さらにその上へ、当事者への聞き取り、で処分という流れかと思いますが、沙名子は上司に報告以前に、経理担当として悩みに悩みます

経理処理のプロとしても人間としても優秀な人物ですね

でも、恋に関しては?

太陽への想いを認めざるを得なくなって、これまでの生活を乱されることへの不安に乱れる心

社内で怖がられているらしい沙名子ですけど可愛いです

 

馬垣という全て人のせいにして逃げる男性には呆れ果てるばかり

でも天天コーポレーションは、そんな困ったさんも解雇はしません

 

沙名子の心の声

天天コーポレーションの社員は悪い人間ではない―――みんな悪い人間ではない。

少しばかりずるかったり、他人の行動が気に入らなかったりするだけだ。

 

そういう視線で社内を見渡してみたら、自分の心の中で何かが変わるかもしれません