「空海 KU-KA-I ~美しき王妃の謎~」
原題 妖猫伝 LEGEND OF THE DEMON CAT
2017年 中国、日本
【ムービープラス】
原作 夢枕獏「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」
弘法大師としても知られる真言宗の開祖で、遣唐使として唐に渡った若き日の空海(染谷将太)が詩人・白楽天(ホアン・シュアン)と共に首都・長安を揺るがす巨大な謎に迫っていく歴史ファンタジーミステリー
原作が夢枕獏さんということで空海さん大活躍の壮大なファンタジーを期待しましたがやや違いました
主人公は悲劇の妃、楊貴妃(チャン・ロンロン)と、原題にもなっている彼女を守り続けた男性=妖猫でしょうか
壮麗なセットやCGは見応え十分
さすが中国です
阿部寛さん、松坂慶子さん、火野正平さんも出演されていますが阿倍仲麻呂役の阿部寛さんはまだしも松坂さんと火野さんは他の俳優さんでも良いのでは?
染谷将太さんは頑張ってましたけど、制作費をかけたわりにはこんなもの?と感じるのは日本サイドから観ているからかな
綾野剛さん出演作を2本
「カラオケ行こ!」
2024年
【Netflix】
原作 和山やま
中学校で合唱部の部長を務める岡聡実(斉藤潤)は、ある日突然見知らぬヤクザの成田狂児(綾野剛)からカラオケに誘われます
戸惑う聡実に狂児は歌のレッスンをしてほしいと依頼
組長が主催するカラオケ大会で最下位になった者に待ち受ける恐怖の罰ゲームを免れるため、どうしても歌がうまくならなければならないのだといいます
狂児の勝負曲は、X -JAPANの「紅」
嫌々ながらも歌唱指導を引き受ける羽目になった聡実
自分の変声期にどう向き合っていいかわからず反抗期の素振りを見せますが、根は素直で優しい中学生で、狂児の声に合う他の曲を探すなどカラオケを通じて少しずつ狂児と親しくなっていきます
狂児はよく描かれるヤクザとは若干違うキャラで、何を考えているか分からないけれど純粋、一本芯が通っていて、そこが怖い、しかしカラオケの師匠である聡実を軽く扱うことはないのです
2人の噛み合わない会話が実に良い
別の世界の住人2人の魅力がしっかり生かされている素敵な作品でした
いまだに大阪訛りの狂児の「聡実くん」が耳について離れません
カラオケ教室の後、狂児は古いセンチュリーで聡実を家まで送ります
毎回、角を曲がってくる車の動きが実に滑らかで運転が上手いと思いました
運転席に座っているのは綾野剛さんでしたけど本当に運転されていたのかしら?
「最後まで行く」
2023年
【Netflix】
ある年の瀬の夜、刑事の工藤(岡田准一)は危篤の母のもとに向かうため雨の中、車を飛ばしていましたが妻(広末涼子)からの連絡で最期に間に合わなかったことを知ります
その時、車の前に飛び出してきたひとりの男を撥ねてしまいます
母の元に向かうことが第一の工藤は咄嗟に男の遺体をトランクに入れ、その場を立ち去り、男の死体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みます
しかし、県警本部の監察官・矢崎(綾野剛)から「お前は人を殺した」というメッセージが入り…
綾野剛さん、「カラオケ行こ」に続けて観たので始めのうちは、優し気な「聡実くん」がチラついて違和感たっぷりで困りました
岡田准一さんも、あたふたして頼りなげで、この主人公には向いていないと思いながら観ていたのですが、娘が矢崎に連れ去られてからは、いつものキレッキレアクションで頼もしかったです
岡田さんと綾野さんのバトルシーンは複数回あって見応え十分
最後、車2台で並走し、幅寄せし合いながらどこまで行くのか…満足のラストでした
2人の争いを高見の見物をしている悪の親玉に柄本明さん
久しぶりの本物の悪人役がお見事でした
広末涼子さんは不倫問題でアレですが、魅せる演技をされますね
恋も不倫も「芸の肥やし」なのかな
2014年の韓国映画のリメイク作品で、オリジナルとは若干の違いがありますが、日本版も面白かったです