「ラーゲリより愛をこめて」

2022年

【日本映画専門チャンネル】

 

原作 辺見じゅん

 

第二次大戦後の1945年

シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちは、冬は零下40℃にもなる過酷な環境の中、わずかな食糧のみを与えられて重い労働を強いられ、命を落とす者が続出していました

そんな中、山本幡男(二宮和也)は日本にいる妻(北川景子)や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続けます

山本の仲間思いの行動と力強い信念は多くの捕虜たちの心に希望の灯をともしていきます

 

山本の病気がわかってから、それまでは山本に協力的でなかった捕虜たちが一致団結するとは皮肉なことです

 

二宮さんはこういう役がぴったりですね

病でもう日本へは生きて戻れないと自覚した山本がベッドで掠れた声で叫ぶところなどは真に迫っていてもらい泣きしてしまいました

山本が家族に書き残した遺書をソビエト兵に奪われそうになり、仲間たちがとった方法は遺書を記憶すること

そして無事日本に戻った彼らは山本の家を訪ね、彼の渾身の思いを語るのでした

 

北川景子さんにも、捕虜の仲間たち、松坂桃李さん、中島健人さん、桐谷健太さん、安田顕さんにも泣かされました

 

収容所で捕虜たちが可愛がっていた犬が、日本へ送還される彼らが乗った船を追いかけてきたというのは驚くことに事実なのだそうです

 

かの地で続く戦争、紛争

どうして人はその愚かさに気づかないのでしょう

 

原作も近いうちに読みませう

 

 

 

 

 

「ヴィレッジ」

2023年

【Netflix】

 

過疎の村に暮らす片山優(横浜流星)は、村の伝統として受け継がれてきた薪能に魅せられ、能教室に通うほどになっていました

しかし、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐるある事件によって彼の人生は大きく狂っていきます

母親(西田尚美)が抱えた借金返済のため処理施設で働く優は、仲間内から苛めの標的になり孤独に耐えながら希望のない毎日を送っています

しかし、幼馴染の中井美咲(黒木華)が東京から戻ったことをきっかけに彼の日常は大きく動き出します

 

この村で起きた悲劇は全て長として君臨してきた大橋家が引き起こしたものであると思います

 

大橋家の主・古田新太、長男・一ノ瀬ワタル

言葉はあれですが本当に胸糞悪いというのはこういう輩を指すのです

全く身体の自由が利かない母親・木野花

人形かと思うほどでこれはこれで見事な演技でした

 

横浜流星さん出演作を何本か観てきて、当初はただの若手イケメン俳優にしか見えなかったのが大きく変わってきました

今後も追いかけていきたいです

 

藤井道人監督は本作の村を日本社会の縮図だと思って撮ったと仰っているそうです

確かに、このところ、あちこちの組織や団体の隠蔽体質が暴露されていることと重なります

周囲が物申せないリーダーが君臨してたりしてねぇ

成熟期を過ぎた日本社会の現実です