角川春樹事務所

2023年3月 第1刷発行

2023年4月 第2刷発行

252頁

 

「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」に続く希望の物語

 

地元のラジオ局で深夜番組の担当をしているソガ

ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところリスナーからよく似た肖像画を見た、と葉書が届きます

美術館を訪ねたことをきっかけに広がる物語

「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」の登場人物たちとの邂逅が、土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、川に流されて行方不明の少年、絵を描いてくれた多々さん、鯨オーケストラetc、全てに繋がっていきます

 

いつもの吉田さんらしい静かな始まりから徐々にワクワク

ソガ君がサユリさんの店「キッチンあおい」を訪ねるあたりからは先が読みたくてたまりませんでした

 

時間は過ぎていくのではないのです。どこかへ消えてしまうわけでもありません。すべての時間は自分の中にあり、それが少しずつ積み重なっているのです。年齢はただの数字でしかありません。

 

今の自分に過去の自分が含まれているという考え方に目から鱗でした

 

三部作ということなのでこれでお終いなのでしょうか

サイドストーリーがあれば嬉しいかな