PHP研究所

2015年6月 第1版第1刷発行

315頁

 

「おいち不思議がたり」シリーズ第3弾

 

18歳になったおいちは、この世に思いを残して死んだ人の姿が見えるという特別な力を生かしつつ、父のような医者になることを夢見て、仕事を手伝っていました

そんなおいちの元に、血の臭いを漂わせた男がやってきます

商家『いさご屋』の若旦那だというその男・庄之助は、亡き双子の姉・お京の影に怯え、おいちに救いを求めてきたのでした

一方、おいちの住む深川界隈では、夜鷹殺しが立て続けに起きていました

腹を一文字に裂くという猟奇的な方法に衝撃を受けたおいちは、岡っ引き・仙五朗と力を合わせ、絡み合った因縁の糸を解きほぐし、下手人探しをするのですが…

 

本編でおいちが治療するのは外科や内科ではなく、庄之助の心の病です

そこに絡んでくる夜鷹殺し、さらに、いさご屋の旦那までもが襲われます

おいちの不思議な力よりミステリー色の濃い内容でした

読者の予想を裏切るどんでん返しに驚くと同時に、おいちの医者としての実力に感心しました

今後は千五朗の手下としても大活躍しそうです