PHOTO GRAPH

記憶の花

藤原更

ヤマザキマザック美術館

2024年4月26日(金)~6月30日(日)

 

 

 

美術館HPより

藤原更(ふじわら さら)の作品は、写真でありながら、写真ではありません

なぜならそこには、写真には捉えきれなかった“記憶”が挟み込まれているからです

以前フランスで撮影した芥子畑の写真が、記憶に残る芥子畑とあまりにも違ったことを受けて藤原は、記録写真をもとに記憶の芥子を表現したいと考えるようになりました

「記憶の可視化」です

展覧会名に“写真”ではなく“Photograph”をつかっているのは、藤原が“Photo(光)graph(書く)”という単語の本来の意味を踏まえて、「光で描く」思考を取りこんでいるからです

藤原は「光で描く」ことで、記録を越えた記憶の芥子を表現し、Photographが持つ 可能性を更に拡張しようと試みているのです

今回ご紹介する「花三部作」(蓮・薔薇・芥子/ハス・バラ・ケシ)は、コマーシャルフォトグラファーとして第一線で活躍した藤原ならではの「光と時間を駆使して瞬間を切り撮る写真」に、日本画の“ぼかし”や独自の“剥離”など、記憶のあいまいさを表現するための多様な技法が加えられています

「命の儚さ、そして存在の輝きを表現したもの」をつくりだしていきたいという現代美術家 藤原更の『記憶の花』をお楽しみください

 

第一章 NEUMA

2011年の東日本大震災後まもなく、魂の救済を意味する蓮を被写体に、泥の中の枯れて折れた蓮の茎の風景に希望を見いだすことが出来ないかと取組んだ作品です

NEUMA(ネウマ)は、グレゴリア聖歌など中世の記譜において用いられた記号です。時代や国を越えた祈りを捧げる想いを持って、このシリーズ名が付けられました

 

 

 

第二章 LA VIE EN ROSE

鮮やかに咲き誇る薔薇の花びらを至近距離で撮影した、藤原独自のAntanagraph(アンタナグラフ)と呼ばれる作品で、鑑賞者の心象、鑑賞環境、時間、光によって見え方が変化します

LA VIE EN ROSE(ラ・ヴィ・アン・ローズ)=「薔薇色の人生」とは一体何色なのでしょうか

 

 

 

 

第三章 MELTING PETALS

MELTING PETALS(メルティング・ペタルズ)とは、溶けゆく花びら、のこと

2007年にフランスで撮影した際に見た芥子畑の記憶を、時を越えて蘇らせた作品です

五官を通し記憶に残された芥子の姿が、大型ストロボやプリント技術を駆使し、さらにぼかしや剥離技法を加えて、鮮やかに表出されています

 

 

 

音声ガイド(無料)を借りてじっくり観て回りました

ほんの一部だけ写真の奥深さを見せてもらえたと思います

写真に詳しい方がご覧になったらより楽しめるのではないでしょうか

 

藤原さんは愛知県津島市生まれとのこと

先日の吉本作次さんといい

地元出身の芸術家なのに名前すら知らなかったです

<m(__)m>

 

 

安心安定の常設展

 

 

 

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