祥伝社

2022年1月 初版第1刷発行

2022年2月 第2刷発行

494頁

 

明治初期、土佐・佐川の山中で草花に話しかける少年がいました

彼の名は、牧野富太郎

小学校中退ながら独学で植物研究に没頭し、東京大学理学部植物学教室に出入りを許され、新種の発見、研究雑誌の刊行など目覚ましい成果を上げるも、突如として大学を出入り禁止に

私財を惜しみなく注ぎ込んで研究を継続しますが、気づけば莫大な借金に身動きが取れなくなっていました

日本植物学の父、牧野富太郎の一代記です

 

大学の権威より、好きで好きでたまらない植物学に一生を捧げた牧野富太郎

実家の財力、牧野を支える本妻と東京での妻、多くの支援者たちがいたから成せた業績であり、誰もができる生き方ではありません

実家で散々甘やかされて育ったゆえ世渡りは上手いとはいえません

しかし、牧野の熱い思いは周囲の人々を巻き込んでいきます

 

牧野の一生を興味深く読みました

人間性には疑問多し、ですが、あれくらいの人物でなければ大きな仕事は成せないのでしょうね

朝井まかてさん、2作目にしてお気に入りの作家さんになりました

 

   

 

 

昨年11月ですが

愛知県図書館で本書にも登場する伊藤圭介氏関係資料の展示がありました