ポプラ社

2022年8月 第1刷

282頁

 

 

ままならない日常に悩む惑う人たちが踏み出す一歩が背中を押してくれる連作短編集

 

「ママはダンシングクイーン」

家族仲がしっくりいかず生き方に迷う主婦

 

「私の名前はキム・スンエ」

16歳になる直前まで自分が在日韓国人3世と知らされていなかった姉妹

 

「彼が見つめる親指」

ゲイであることに葛藤する男子高生

 

「私はそれを待っている」

血の繋がった子どもを持てなかった母親

 

「36年目の修学旅行」

高校時代に修学旅行に参加できなかった教師

 

「プロムへようこそ」

卒業式の後、プロムを開催すべく奮闘する女子高生たち

 

 

家族関係や国籍、性的マイノリティなど、ともすれば重いテーマをトリコさん流に勢いよく描いた連作短編集

登場人物たちの行動範囲は至って狭く、名古屋市中心部~北東部のみ

土地勘があるのも幸い、年配者が使う名古屋弁が面白く数時間で読み終えてしまいました

 

高校生たちが通う千早高校

千早という地名もあるにはありますが、モデルは舘ひろしさん出身の千種高校かな?