講談社文芸文庫

2021年12月 第1刷発行

解説・富岡幸一郎 手紙が紡ぐ「時」の流れ

251頁

 

『遠くからの声』

1997年から99年にかけて、オスロ/仙台~東京間で、二十世紀末という時代と文学について語り合ったもの

 

『言葉の兆し』

2011年、東日本大震災に遭遇して言葉の力を根底から問う者、戦災の記憶をたぐり歴史と語りの相にふれる者として再び紙上で相見えたもの

 

先輩後輩の二人の作家が文学、世相、人間について交わす書簡集

作家の生の声を聞いたかのようでした

特に、戦争を体験した古井さんの東日本大震災への思いは、経験者にしか分からない辛さや悲しさ、悔しさ、諦めが詰まっていて、もっと古井さんを読みたかった…と思いました

 

本書を読まれるのであれば、お二人の著書をある程度読んでからをお薦めします