「峠 最後のサムライ」

2022年

【Netflix】

 

原作 司馬遼太郎

 

徳川慶喜の大政奉還により260年余りにも及んだ江戸時代が終焉を迎えます

そんな動乱の時代に、越後長岡藩牧野家家臣、河井継之助(役所広司)は幕府側、官軍側のどちらにも属することなく、越後長岡藩の中立と独立を目指していました

しかし、その先進的な考えは理解されず、開戦へと突き進み、戦いの中で落命していくこととなります

 

 

全体に物静かに過ぎていく物語

緊張の続く日々において継之助と家族が語らうシーンはその穏やかな人柄がよく出ていました

登場人物たちの艶の無い髪、地味で草臥れた着物、古びた木造建屋などがリアルです

ラストに映し出される山々は、人工物が皆無で現代においてよくこんな場所があったものだと思いました

 

継之助の妻・すずに松たか子さん

両親に田中泯さん、香川京子さん

牧野家当主に仲代達也さん

他に佐々木蔵之介さん、永山絢斗さん、芳根京子さんら豪華俳優陣が共演

音楽は加古隆さん

 

巷の評価は低めですが、私はこういう作りの映画が好きです

でも、戦の部分は映画というより河井継之助を紹介する番組の再現ドラマに近い印象ではありますね

 

 

幕末の長岡藩について、河井継之助という人物について、全く知りませんでした

継之助を賞賛する声がある一方で、戦争責任者として非難する声もあるとのこと

新潟県長岡市には河井継之助記念館があるそうです

機会があったら立寄って、継之助の生涯と功績を学んできたいものです

 

 

 

 

 

「HOMESTAY(ホームステイ)」

2022年

【Amazon Prime Video】

 

原作 森絵都

 

死んで魂になったシロ(長尾謙杜)は“管理人”と名乗る謎の人物から、同じく死んでしまった高校生・小林真の身体に“ホームステイ”するように告げられます

さらに、管理人は、小林真が死んだ原因を100日以内に突き止められなかったら、あるいは真の家族や友人に中身がシロだとバレてしまったら、シロに本当の死が訪れると宣告

戸惑いながらも真として暮らし始めたシロは、真の家族(佐々木蔵之介、石田ひかり、望月歩)や幼馴染の晶(山田杏奈)、真が密かに憧れていた先輩・美月(八木莉可子)と関わることで真の死の真相に近づいていきます

 

 

原作は既読、2018年タイ制作の映画も観ているので、作品世界にすんなり入ることができました

管理人=濱田岳、眞島秀和、阿川佐和子、笹井英介、渋井清彦たちがユーモラスです

彼らはシロに無慈悲な言葉を浴びせるのですが、裏に持つ優しさが滲みでていて良かったです

 

最後はもらい泣きしちゃいました

『人生は長年のホームステイ』

なんですよね!

 

 

 

 

「背中」

2022年

【日本映画専門チャンネル】

 

人々の生と性を独自の視線で描いてきた越川道夫監督が恋人に去られた女性の心の内を描いた人間ドラマ

 

ある日突然、恋人のショウイチロウ(嶺豪一)が目の前から姿を消してしまった30歳の女性、ハナ(佐藤里穂)

それ以来、ショウイチロウの親友だったアカツキ(落合モトキ)と関係を結んでいます

去って行った男の背中と海辺の風を感じながら、ショウイチロウのことを待ち続けるハナ

そしてアカツキもまた、ハナと関係を結びながらもショウイチロウのことを捜していました

 

心象風景を描くのがお得意の監督さんですが、如何せん役者が酷すぎます

特に主役の佐藤さんは最悪

棒読みのようなセリフ&全く伝わってくるものがありませんでした

☆ゼロです

 

越川監督作品は「二十六夜待ち」を観ています

井浦新さんと黒川芽以さん

原作が佐伯一麦さんだったのもあり自分の中では高評価です