夜10時半、店からの電話。

”今、タバコ盗まれました。常連のガキです”

”追いかけたけれど逃げられました”

”・・・・”

”警察に連絡したほうがいいでしょうか?”

”連絡して下さい”

普通、警察に連絡してから報告だと思うのだけれど、順序が逆だよな。


翌日、防犯ビデオをみていたらバッチリ写っていた。

名前や住まいはすぐに分かったけれど、その後どうなったのか?

商品は弁償してくれるのかなど、警察からの連絡はない。


万引きで本屋さんがつぶれたとか、コンビニを占めたという話は結構良く効く。

毎日タバコのたな卸しをしているけれど、時々なくなっている。カートンで盗まれることが多く、利益率の少ないタバコでは大変な痛手となる。


当店でも先日のたな卸しでタバコが5万円あまり足りないことが分かった。

どこへ行った。タバコ君。

たな卸しロス15万円、うそーぉ。

つぶれるって、こんなに盗まれたら。

SVからさらにショッキングな発言、”あまり多いときは内部犯行ということも考えないと、ふつう・・・・・・”

私はほとんど店に行かない、任せっぱなしだからな。

性善説と言うのはないそうで・・・さみしいことだ。



おにぎりの納品は1日に3回ある。

午前2時、電話。こんなに早くと言うか遅く何事か!!!

”おにぎりがひとつも来ないのですが”

”なんで?”

”発注を忘れました”

”わすれったて・・・、何で忘れるかな?”

”最後に総数が出てきて、チェックできるでしょうよ!”

全く、何をやっているか。

”お弁当やサンドイッチは?”

”来ています”

何で、おにぎりだけ発注を忘れるかな?

こんな夜中にどうするよ、

知り合いのコンビニ店長に電話。実はですね・・・一連のことを説明し何とかおにぎりを・・・・。

数件からとりあえず120個ゲット。運転ができる店員を動員し車で取りに行ってもらうことにした。2時間近くかけてようやく商品が何とか棚に鎮座。

とりあえず、買ってきてそのまま棚に並べ売る。つまり、利益ゼロ。おにぎりを取りに言った人件費等が赤という、馬鹿なことをする羽目になった。

次の便、その次に納品される分はどうする・・・。


発注を忘れたり、送信を忘れたりする事件と言うのはほとんど起きないけれど、全く起きないわけではない。

このため、発注を忘れた馬鹿なコンビニのために救済措置があって、何も発注しないときは先週と同じ商品が届くことになっている。これはご飯やパンなど特定の商品に限られているのであるけれど、時に助かることもあるだろう。

ところが今回のように弁当の発注はしてあり、おにぎりの発注を忘れたなどということには対応しない。

全く発注がないときだけの救済措置だから。


おにぎりの棚はいつになくスッカスカで、一日を過ごすことになった。

発注を忘れた本人はさぞや意気消沈と思いきや悪びれるわけでもなく、侘びのひとつもない。

がんがん文句を言おうと思っていたけれど、ばかばかしくなってきた。

これでもサブマネージャーの資格を持っている。27歳の男性。




コンビニの商品はHOT(ホット:ハンディー・オーダー・ターミナル)と呼ばれる携帯用液晶画面のような機械で発注します。担当は商品ごとに決まっているのです。商品はカップラーメンのように発注数1とすると1箱くる物や3個くる物1個くる物と同じ1でも納品される商品の数が異なります。

時々、ラーメンを30個発注しようとして30箱取ってしまったとか、失敗談の話は事欠きません。


でもそのようのことが自分のみに降りかかるなどと誰も想像しませんし、想像したくもありません。

ところがです、

ある朝、店に行くと店員たちが大騒ぎしているのです。何事かとウォークインを見ると商品の入った箱がうず高く積まれています。フランクフルトが30袋、アメリカンドックが24袋、チキン36袋・・・・うっそー。

発注担当者に聞くとフランク30本ほしいところを30としてしまった、袋単位で納品されるので5と入力すればよかったのです。

どうするの、これらは生ものですから賞味期限は2日くらいです。

今日明日中に売りさばかなくてはなりません。

とても無理です。30本だって売れるかどうか分かりません。それなのにその5倍も無理です。その当時一日のお客様は5~600人。

知り合いに電話をかけ、ご協力をお願いし、絶対量を減らした。もちろん定価で売れません。

それでも山のように商品が、さぁー、どうする。

仕方ない1個50円で売ってしまえ、売れなくてごみにしてしてしまったのではもったいない。原価をはるか下回るまさに出血大サービス。


安いので来店した方が複数本ずつ買ってくれたり、知り合いを連れて来てくれたり

フランクは120本、アメリカンドックは100個を15時ころには完売。

お客様に感謝。


大赤字となった。

ところが、これが功を奏したのか今まで売れ行きが、ぱっとしなかったアメリカンドックが少しずつ売れるようになった。