こんにちは。
ヨーロッパ音楽の伝道師、ピアニストの丸山勝次です。
前回は、ルロイ・アンダーソンの「タイプライター」を紹介させていただきました。
今回は同じく、ルロイ・アンダーソンの曲で、「シンコぺーテッド・クロック」。
アンダーソンの1946年の作品です。
曲のタイトルである"シンコぺーテッド"とは、皆さんご存知の音楽用語でもあり、リズムや拍をずらしてメリハリをつけるリズム、シンコペーションの事です。
打楽器のウッド・ブロックがコツコツと時を刻み、時折シンコペーションのリズムが入り、
独特のコミカルさとユーモアさにあふれています。
そして、そのゆったりとしたリズムに乗って、目覚まし時計のベル音やカウベルなどが登場して、
それがうまく融合しあいながら、大変愉快な曲となってます。
「タイプライター」の時もそうですが、「パチパチパチパチパチパチパチパチ」、「チーン」、「ジー」といったタイプライター自体の音に強烈なインパクトを与えています。
一方、「シンコぺーテッド・クロック」でも、シンコペーションという独特のリズムを裏拍で使ったり、聴いている人に "ん?"といった「意外感」を与える効果を絶大に発揮しています。
こういったユーモラスなところは、さすがアメリカ人作曲家である、ルロイ・アンダーソン独特の世界観を出していますね。
「タイプライター」は、どちらかというと、冒頭から早い動きが続きますので、弾く側にとっては、多少心配になるところもあるかもしれません。
でも実際やってみると、四手連弾なので、ある意味"スリル感"があって、それはそれで楽しめるんですけどね。
「シンコぺーテッド・クロック」の方はというと、テンポ自体が比較的ゆったりしているので、
小学生の中・高学年であれば、楽しみながら弾けるようになると思います。
もちろん、四手連弾+打楽器が入る方がより楽しめるし、小さい時から一つのグループとなって"アンサンブル"に慣れておくことも大事です。
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