杉原千畝追録~カウナスの旧日本領事館 | 福岡日記+(プラス)

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転勤族から見た福岡や九州の風景、趣味の音楽の話などを綴ります。

前回は杉原千畝について書きました。

 

その中で、国内の関連施設は紹介しましたが、ある意味で最も重要なリトアニア・カウナスの施設について何も触れませんでした。

 

ブログをアップした直後、カウナスの杉原記念館(スギハラハウス)がコロナの影響で閉鎖の危機にあるという話を知り、追録を書きます。

 

杉原記念館(同館HPより)

 

 

 

杉原記念館は、カウナスの旧日本領事館の建物にあります。リトアニアとベルギーの知識人や実業家により1999年に設立されたNGO組織「杉原“命の外交官”財団」が運営しています。

 

2018年には当時の安倍総理も訪問したそうです。

 

外務省HP

 

 

 

そういえば、4~5月頃に杉原記念館が経営危機だという報道があったような記憶がよみがえってきました。

 

その時は一瞬注目しましたが、それ以上何も考えずに終わってしまいました。

 

今回、私が最初に目にしたのはクラウド・ファンディングの記事でしたが、改めて調べてみると、在リトアニア日本国大使館が4月にHPで支援を求めていました。

 

在リトアニア日本国大使館HP

 

 

 

在リトアニア日本国大使館からリンクしている杉原記念館のフェイスブックにも厳しい現状が記されていました。

 

杉原記念館は、コロナで一時閉鎖となった後、営業再開されましたが、入場者の85%が日本人のため、海外旅行者激減で存続が危ぶまれる状況だそうです。

 

スギハラハウスfacebook

 

 

 

さらにそこからリンクした杉原記念館のHPには寄付のお願いと宛先が記されていました。ただ、手段が外国送金なのでやりにくいし手数料も高いですね。

 

杉原記念館HP

 

 

 

フェイスブックには、私が記事で見たクラウド・ファンディングの話も出ていました。

 

別の報道によれば、岐阜県、八百津町などが杉原記念館に寄付をしたそうです。八百津町がんばっていますね。

 

フェイスブックによれば、本年中の活動資金はこれらの寄付等で目途がついたものの、来年の見通しが立たないため、クラウド・ファンディングに踏み切ったとのこと。

 

このクラウド・ファンディングは、日本の旅行会社の社員有志が杉原記念館と連携して始めたものだそうです。

 

9月初に始まり、期限は10月末です。10月7日現在、目標額800万円に対して現在500万円弱。達成率は62%です。がんばってほしいですね!

 

私も微力ながら参加させていただきました。

 

(10月25日追記)

・このクラウド・ファンディングですが、10月18日に目標額800万円、支援者は1,000人に達したそうです。よかったですね!

・10月25日現在、支援額は969.9万円、支援者は1,061人になっているそうです。

・ただ、ヨーロッパではコロナが再燃しており、先行きは不透明です。主催者は、今月末期限に向けてさらに一層のご支援を希望しています。

 

GoodMorning HP

 

 

 

因みに、在日リトアニア共和国大使館のHPを見てみました。

 

杉原記念館のことは書いてありませんでしたが、7月に開催されたオンラインセミナー『杉原千畝とリトアニア』のことが掲載されており、やはり杉原は両国を結ぶ存在なのだなあと実感しました。

 

在日リトアニア共和国大使館HP

 

 

 

今回は、カウナスの杉原記念館の現状と支援の動きについて特集してみました。

 

世の中全体がこんな状況ですので、皆様自身が苦境に立たされ、あるいは皆様それぞれが支援すべき相手を持っていると思いますので、むやみに「支援お願いします」などとは言えませんが、こんな現実もあるということをお伝えしたいと思います。

 

カウナスの杉原記念館…一度行ってみたいなあ。バルト3国周遊か、ポーランドとセットにしたらどうでしょう。ウィーンより高そうだけど、行けるかなあ…。

 

いずれにせよ、コロナの終息を願わずにはいられません。

 

 

 

【今日のBGM】

・ブルックナー 交響曲第7番

 ハイティンク指揮ウィーン・フィル(2019年ザルツブルク音楽祭)

・先日、NHKで放送されたものです。オランダの重鎮指揮者ハイティンクの引退公演シリーズの一つで、この直後のルツェルン音楽祭での同曲の演奏が最後となったそうです。

・ハイティンクはアムステルダム・コンセルトヘボウを長く振り、昔からPHILIPSのレコードで知っていますが、地味なタイプで、言葉を選ばすに言うと、あまり特徴のない指揮者でした(確かCDも持っていない)。でも、引退公演ともなれば、どんな演奏を聴かせてくれるのか。ちょっと期待も…。

・杖をついて出てきたハイティンクは椅子に座ったり立ったりで指揮していました。面白かったのは、譜面台にスコアを置いたまま、一度も開けずに指揮していたこと。あれは一種のお守りなんでしょうか?

・演奏はゆっくりしたテンポでじっくりと歌っていきますが、第1楽章は案外何も感じませんでした。でも、第2楽章から味が濃くなり始め、終わった後、金管奏者に小さく投げキッスしていたのは本人も満足したからでしょう。第3、第4楽章はますます好調になり、やや軽量級のフィナーレも実に立派な音楽に聞こえました。

・終わった後は拍手が鳴りやまず、オケがひけた後で奥さん?と一緒に最後のカーテンコールをしていました。

・朝比奈が93歳で振ったブルックナー第8番も感動しましたが、ハイティンク90歳のブルックナー第7番も素晴らしかった。老巨匠には、マーラーよりブルックナーが似合うようですね。神様の音楽ですからね。