赤字事業部に在籍中は仕事のストレスが高かったのですが、一方では毎月の給与もそれなりに上がって暮らし向きが楽になりました。しかしながら、この時期には金の使い道で大きな失敗しました。
私が40歳になる頃は丁度バブルの絶頂期という事もあり色々な投資の誘いがありました。たまたま職場でも投資について話題が出て雑談をしている中で、或るシステムエンジニアが「ゴルフ会員権がすごいな」という話が出て、ゴルフの会員権を購入するとすぐにでも値上がりがしそうな話で盛り上がっていました。私は運動が苦手ということもあってゴルフは好きではなかったのですが、こういう噂を聞くと本当らしく聞こえました。ゴルフ会員権については碌に会員権とはどのようなものかも調べもせず、安易に業者が絶対つぶれないので安心してくださいという言葉を鵜呑みにして3コースも購入をしてしまいました。すべて自宅を担保にした借金でしたが、当時の銀行は朝に融資の申し込みをすると午前中に審査が通りましたという連絡がくるという様な具合で、銀行は金余りで貸付先をどんどんと増やしていった時だと思いました。当時の銀行の窓口は若い男性が対応してくれていましたが、バブルがはじけて借金の返済だけが残った時には銀行も窓口も女性が多くなり事務的に処理をしていて、バブル当時の浮かれた雰囲気は消え去っていたと覚えています。
ゴルフ場は後に3つとも倒産して会員権は紙切れになって借金のみが残るということになりました。金額的には子供を私立大学まで行かせるくらいの金額だったので、気持ち的には不貞の息子が一人いたんだという風に考えて、退職金の大半で返済でして漸く一件落着となりました。バブルがはじけた当時はゴルフ会員権暴落で自己破産した人も多数いるというような新聞記事があり、自身も自己破産した方が楽になるのかなと思った時期もありましたが、銀行と掛け合って金利をさげてもらい何とか完済することができました。
将来に対する不安から少しでも金を増やせるのではないかと考えて投資をしたのですが結果的には失敗に終わりました。投資の内容についてきちんと調べなかったという事もありますが、当時の投資先として株式も高騰していたので多分株式を購入しても同様の事態になったのではないかと思います。結果から考えると、世間の浮かれた状況に追随すると碌な結果にはならないという教訓を得たと思っています。
又、当時の投資としてアパート経営もしていました。2室のマンションを購入して賃貸をするというサイドビジネスを定年間際までせざるを得ない事になりました。ワンルームマンション販売業者の説明でもありましたが、マンションは購入したら直ぐに値上がりするという思惑だった筈でしたが、丁度バブルがはじけた頃で購入後には直ぐにマンション相場が値下がりし、売却すると借金だけが残るという状態になり、仕方なく長々とマンション賃貸経営というサイドビジネスをすることになりました。細々としたアパート経営でしたが賃借人が問題を起こしたとか、マンションに欠陥が見つかって大騒ぎになったとかいう事もあり、仕事上のストレスに加えてアパート経営の大変さもあって毎日の生活リズムは常に変動するというような経験しました。退職後、このマンションを売却した後には重荷に解放された気分で心底から晴れ晴れとした気持ちになれました。
赤字事業部に在籍した時期は、仕事のストレスを感じて色々な方面で金を散財して借金を作り、将来を心配して投資したものの見事に全て外れて借金だけが残り、まるで借金返済のために毎日を過ごしていたようなことになり、大きな失敗をしたと言えると思います。
赤字事業部でのサラリーマン生活は仕事も失敗続きで大変だったけれど、私生活でも大きな失敗を自ら招くという事態になり、人生でも一番の悪い時期であったという風に感じています。