役所体質の顧客の基幹システム刷新プロジェクトについて如何にして滅茶苦茶なプロジェクト管理が行われてきたのかを考えていると、一つは顧客の役所体質による体裁繕いによる対応がシステム開発を受託した事業部の暴走を許したとも言えると思います。しかしながら、顧客の弱い立場を理解しつつ基幹システム刷新を行うというのは前提であると私個人としては十分に理解しているつもりでしたが、システム開発を受託した半ぐれ集団とそれを支援していた管理職や役員の利益優先主義は結果として顧客利益を大きく損ねたとも言えると思います。
システム開発を受託した事業部はシステム開発の経験があるというふれこみでしたが、私が横眼から見ている限りではシステム開発について業務錯誤という事実があったのではないかと思いました。
錯誤とは「錯誤とは民法上,内心的意志 (意真) と表示とが一致せず,そのことを表意者みずからが自覚していない場合の意思表示をいう。法律行為の要素に錯誤があるときは無効である (95条) 。」とありますが、プロジェクトは終了しており今更法律論を語っても無意味かなと思っています。
このプロジェクトでは定期的に社内でシステム開発の会議が行われたのですが、どういう目的で会議が行われているのか出席者全員が理解不足のように思われたのでした。当のプロジェクトマネージャーがあれこれ発言をしているのを聞いていると、過去に経験した簡易なプログラム開発プロジェクトを経験した時の事を思い出しつつ述べているだけの様に思われました。想像するに、システム開発ではなくプログラム開発をシステム開発という全く異質な業務と錯誤していて、レベル感の全く違う事をあたかも本当のように経験則として繰り返し述べていたのではないかと思います。そう考えると、システム開発の基本である最初の基本計画のフェーズで突然画面仕様の話が出てきた事や、実務でシステム開発の範囲縮小した等々の多数のトラブル事情が理解が出来るのだと思います。
本来、システム開発という業務は創造的な思考が出来ないと仕事が出来ないという高度なもので、役所体質の顧客の割合にシンプルな基幹システム刷新というシステム開発についてさえも、システム開発の基本的な素養が無いと対応するのが無理な業務であると思いました。しかしながら、役所体質の顧客の基幹システム刷新プロジェクトで起きた事件ともいえるようなトラブルが次々に発生したのは、システム開発を受託した事業部はシステム開発という業務そのものを役員から担当者までが理解しないで仕事をしているという実態を見事に証明したのではないかと思います。システム開発という業務を錯誤していて、言葉づらばかりにしか理解していない、所謂役員から担当者までが業務を錯誤した状態で実際にプロジェクトを始めると色々な問題が発生するという事になったのだと想像されます。
こう考えると、システム開発に限らず会社の役員から担当者までが情報処理業という生業をどれ程の理解で取り組んでいるか甚だ疑問にも思えてきます。業務実態としてコスト削減の為に実務を外注に委託するのは良いとしても、肝心の外注に業務を委託する社員の能力が外注会社社員よりも劣るという実態も経験しているので、今振り返って考えてみると社員全体が錯誤の中で疑問も持たず淡々と仕事をしていて、顧客との間で何かトラブルがあっても自らの非を認めない社風に従って行動していた社員が多数を占めていたのではないかと思います。そういう社風の中では建前ばかりの重視で管理部門が幅を利かせて業績が伸びないという連綿とした歴史が作られていたようにも感じています。