役所体質の会社の基幹システム開発がテープカットという華々しい行事で本番が開始された後に普通には発生しえない障害が多発して、特に顕著なものについて3例ほどの記憶があるのですが、顧客の情報システム部員は毎日障害対応という仕事が出来たというので、システム開発を受託した事業部の担当者に早く障害復旧を促すという事くらいしか出来ていなかったように思います。
本番開始後に障害が発生して発覚したシステム開発を受託した事業部の作業忘れにしても、情報システム部員は作業をして回復したのでそれでよしとしていた事に私は違和感を覚えていました。普通の感覚であれば、本番開始後にプロジェクトの作業忘れが発生したならば、金を返せとか責任者を呼んで来いとか言う風に怒り心頭の状態になるのが自然だと思うのですが、一切騒ぎだてもしないという姿勢を見ていると責任感も希薄なのかなという風に思わざるを得ないと思っていました。
システム開発のプロジェクト期間中に、たまたま情報システム部に在籍していたので運が悪かったという風に考えているのかなと思った時もありました。いずれにしても、システム開発を受託した事業部はこういう顧客の無抵抗な体質に助けられて訴えられる事も無く、欲しい額の金だけせしめてさっさと手じまい出来た事は幸運だったと思い、ほくそ笑んでいるに違いないと想像をしています。
私が派遣社員として契約期間が切れる頃にはシステムで必要な台帳データが無いというので情報システム部長を悩ましていました。この話は、システム開発を受託した事業部がデータ移行というサブプロジェクトを完遂していなかっただけなので、私が情報システム部長の立場なら早よ仕事をせんかいとシステム開発を受託した事業部に怒鳴り込むだけの事だと思っていましたが、この台帳データ作成忘れ作業も顧客の対応力の悪さにつけこまれて、システム開発を受託した事業部とは話がつかない状態の時に、私は派遣社員としてこの顧客との契約を終了しました。最終的にどういう結論に至ったかは知りませんが、再びやくざまがいのシステム開発を受託した事業部から金をせびられていない事を祈っておりました。
 
はた目から見ているだけでも心配を通り越して不安が増すばかりのシステムの障害発生には驚きを隠せませんでしたが、プロジェクト会議の内容を振り返るとさもありなんと思い当たることが多々ありました。
例えば、システムの構成問題についてシンプルなシステムなので定石通りに構成するのかと思っていたら、わざわざややこしい方式を採用しているので不思議に思っていたのですが、実はシステム開発を受託した事業部の他の顧客事例をコピーしていらしいと推測されました。世の中の常識よりも、自分が経験した常識外の変則的なものが正しいと信じているという断面が見えたとも思いました。
システム開発言語もゼロクリア問題が発覚して、随分と古びたバージョンでこれから何か機能追加する等というのはとても考えられない状態と思えるし、システム構成は何かあった時に正常に動作するのか不安を残しているのではないかと推測しています。唯一救われているのは、この顧客特有の常識外にデータ量が僅少という事が、プログラムやシステムが少々おかしくても作業は出来そうだという事と理解しています。
プロジェクトの途中でプロジェクトを完遂するためには追加のシステムエンジニアが必要と、直々にこの顧客の役員に訴えて法外な費用でシステムエンジニアを常駐させた、システム開発を受託した会社の役員は本番開始後に重大な障害が発生しても、見事に手のひらを返したかの如く何の音沙汰も無くなってしまいました。本番後の不始末について自ら謝罪などをするつもりはつゆほども無いと見えて、この役員も金を貰ったのでさっさと縁を切ったというように理解出来ました。この役員もシステム開発を受託した事業部と一蓮托生で金にしか目がなくて、システムの出来栄えなんか何も気にもしていないというのを証拠立てる行動であったと思います。この役員が常々口にしていた、親会社の伝統を受けついだという会社の仕事振りなのかと驚くばかりでした。