私が在籍中にシステム開発を受注した会社に派遣社員として1年半勤務して9月で離職した後、12月から2月までは大手システム会社に派遣されて大部屋で薄暗くざわざわした巨大な端末室に閉じ込められて資料を作成していましたが、3月に入り派遣社員として新しいシステム会社に勤務を始めると今度は以前とは真逆を感じる程に静寂なオフィスで一日中座ってパソコンを操作するという生活に入りました。
勤務時間は9時始まりでしたが、私は元々朝早出勤という習慣があって8時過ぎにはオフィスに到着してパソコンを立ち上げるのが8時30分くらいで、1年も経過した頃には30分位は早く出勤していました。以前に勤務していた会社では毎日7時に出社していたという身に着けた時間感覚から自然にそうなったものと思いました。普段日中でも働いている人数に対して明らかに広すぎるフロアでは早朝オフィスは益々静寂さが感じられるというもので、契約上からか朝早くから出社しているらしい外資系コンピュータ会社のアプリケーション開発担当のシステムエンジニアが電話している声だけがフロア中に響いていました。
そういう日常の静寂な勤務先の机の上に置いてあるスマホが、毎朝8時30分位になると「ブッブッ」と2・3回鳴動するのが鮮明に響いてきました。これは、基本的には月~金の早朝でしたが、場合によっては昼休み時間や、稀には午後6時位の帰宅中の地下鉄の中でも鳴動することがありました。そしてこれがとうとう1年間近くも続いていたのでした。スマホが鳴動してから電話の着信を見ても発信先が出ていないので、短時間の鳴動しないのでスマホには記録されないのかなと思いました。
これには理由があって、私が長年勤務していた会社を退職してから、その会社在籍中に受注したシステム開発を発注した会社に1年半派遣社員として勤務した時や、次の大手システム会社に派遣社員で3カ月間勤務していた時、外線で私がその会社で勤務していることを確認するような電話が掛かってきたことがありました。私はそういう経緯があるのを知った上で、3月から新しい派遣先に行った後に、私が以前に勤務していた会社の在籍中に受注したシステム開発を発注した会社の情報システム部を訪問して、3月から派遣社員として勤務していた会社名とか私の携帯電話を伝えるということをしたのでした。これは私の新しい派遣先が長年勤務した会社に漏れ伝わるという事を想像していました。
同時に、私が以前に勤務していた会社に在籍している時に受注したシステム開発については、事後談として発注先である会社の某役員が出鱈目なシステム開発をしていた事に気づき「騙された」と言って怒り心頭という状況を聞きました。そういう事情が背景にあって、私の以前に勤務していた会社でこの会社を担当する営業マンやシステムエンジニアの担当替えがあったという理由を知りました。流石に、この会社のシステム開発を発注した主管部所である情報システム部では、いい加減なシステム開発をしていた事業部に騙されていたとは言い難い雰囲気で、情報システム部員は一様に口ごもるのでした。当時の営業担当の私の非力を反省することにもなりました。今時、世間で話題の加計学園獣医学部新設事件の前次官前川さんの心境と同じようなものかなと感じているところです。
というような事で、私の新しい勤務先を間接的に元勤務していた会社に伝えたつもりでした。1年近くスマホが鳴動して、毎朝鳴動があると何だか安心するような気持ちにもなる時がありましたが、さてこの発信主は誰であろうかというのは全く知りえませんでした。この職場にも代表電話から時々発信主不明の様な電話があったり、私の方をみてにやにやする人たちがいるところを見ると、誰だか不明なるも私と連絡を取りたい人がいるのだろうとは想像できました。新しい派遣先に勤務してから1年も後には元の勤務先の私も面識のある人事取締役から、私の所在確認みたいな連絡が派遣先の会社にあったので、何か動きがあるのかとかは想像しましたが、とうとう直接私に連絡は無かったのでその理由は知る由もありませんでした。
私はスマホを鳴動させている相手が何となく想像は出来ても、名前も知らないので不思議なことが起きているとしか思えない事が毎日起きていると思っていました。