このシステム開発の異常な進捗状況について縷々説明してきましたが、この顧客がシステム開発でどの程度の費用を損失したのかを検証しておくのも必要かと思いました。波風を立てることをしたくない顧客の社風なので余計なことはしなくても良いと思われているとは思いますが、けじめというものは必要だと思います。情報システム部としても曲がりなりにも新しいシステムは出来ているので自分たちのやるべきことは済んだという事にしたいのかもしれませんが、けじめはついていないのではないかという風に私は感じています。
今回のシステム開発では契約はフェーズ分けされていましたが、実作業はだらだらと連続していて、報告も本当かどうか疑わしく思われて、システム開発を受託した事業部ではどんな作業が行われてきたのか全く分からないというのが実態でした。その上に、費用は全て顧客持ちというのは何とも理不尽に思えていました。最初に不要な期間とはどの程度だったかをみてみます。
① 基本計画
この作業では業務フローを整理するという事で行われましたが、大量のフロー図を作成しただけで以後のフェーズで利用した形跡はありませんでした。基本計画の8ケ月は不必要な期間だったと判断されるので、その期間費用は全て不必要ということになります。
② 基本計画から基本設計への移行期間
基本計画終了後、約2か月間は「基本計画が終わらないので延長します」とか「次フェーズ以降の見積もりが変わりました」とシステム開発を受託した事業部のプロジェクトマネ^ジャーが言っていました。しかし、それは言い訳にしか過ぎません。委任契約なので責任はないとかいうのはもってのほかで、自ら立てた計画を実行できなかったのを「顧客が仕様を決めなかった」と言って責任を転嫁するのはプロジェクト管理を委譲している顧客からみれば無責任としか思えない言動で、この2か月間も不要期間でした。
③ 基本設計
システム開発を受託した事業部では5カ月と自ら提示していましたが、ずるずると延長されて形式上は4カ月、実質6カ月も延長されました。基本設計の期間を決めたのはシステム開発を受託した事業部であって顧客に責任は無いので、この6カ月も無駄な期間ということになります。
④ システムテスト
4カ月間、「テストを実施して問題ありませんでした」とプロジェクト会議でシステム開発を受託した事業部から報告がありましたが、その後の本番テスト(受入テスト)や並行本番、本番開始後には障害の山が発生して、本番開始が12月から5月に延期する遠因ともなりました。本番開始延期もシステム開発を受託した事業部では顧客の責任であるような発言をしていましたのは、システムテストでまともなテストをしていなかった反省を微塵も感じさせませんでした。システムテストの4カ月のテスト作業は5段階評価のDかEランクの仕事振りだった思いました。しかし全く否定するのもできないフェーズなので評価対象とはしないとするのが妥当かと思います。
ざっとみただけでも不要な作業期間は16カ月になり、総工期36カ月の4割程度となり、費用が不要工期分余計にかかっていることになります。私がシステム開発費用を試算した費用が、世間相場の倍の費用が掛かっていたことの傍証にもなっていると思いました。