システム開発の基本設計が実質2月から開始されると、事実上はもうこの先もシステム開発を請負った事業部で最後までやってもらうしかないのかなと考えると随分と落胆した気持ちになりました。私の私の上司に当たる営業部長は、システム開発というものにも経験もなく単なる物売り経験しかないので、システム開発も金さえもらえばそれでよしと思っていたと思います。私はシステム開発をホスト計算機の時代から何度も経験してきたので、今回のシステム開発の進め方の異常さに憤りをかんじていましたが、そういう非常識なシステム開発を何の抵抗も無く進めていた会社の体質の問題というのは何度も記述した通りです。
基本設計が2月に開始され6月には終わるという終了時期は、発注した顧客の情報システム部長は甚だ心配をしていたのは、毎週この部長と会話をしていて感じていました。
当初の提案からシステムの1システムが無くなって、システム開発を請負った事業部はの負荷は随分と軽くなったはずだと思ったのですが、システム開発を請負った事業部では、相変わらずミスを連発して何の改善も無いという状態が続き、顧客の担当者は怒るどころか大人しいので毎日残業をして作業するのが癖になってしまいました。元々、午後8時位に帰宅するのが習わしみたな職場でしたが、それが夜12時くらいになりタクシーで帰るのが続くようになったと聞いています。会社としてもタクシー代は大変な費用だと思いましたが、真面目な担当者は努力をしていたのだと思います。
4月の中旬になって、システム開発を請負った事業部の事業部長とプロジェクトマネージャーが突然顧客の情報システム部長を訪問すると言う事件が起きました。事件と表現されるのは、普通の日本の商慣習では役員クラスの人間が顧客を訪問する時には、事前に「xxの件でご報告があります」とか「xxの件では相談に応じて貰いたい事が発生しまして」とかいう風に事前に訪問目的を相手に伝えると言うのが常識だと思います。その時には、何の件で訪問するかも伝えないで突然訪問したので事件という表現になるのでした。もっとも、システム開発を請負った事業部では常識の無いのが常識というくらいの意識レベルだったので、自分たちの常識の規範では普通と思って何も相手に告げないで役員が訪問するという行動になったのかも知れません。
この時に説明されたのは「お宅の仕様決めが遅れたので基本設計も時期が延びます」という我田引水の資料を提示して説明したのでした。顧客は部長以下プロジェクトマネージャーや管理職が同席していましたが、驚いて部長は無言だったそうですが、課長の一人が「この資料って始めて見ますが、事前に相談はしないものですかね」という普通の常識的な問いかけをしても、システム開発を請負った事業部の事業部長とプロジェクトマネージャーは蛙の顔に何とやらという表情で知らん顔をしていました、という話を後ほど情報システム部長から聞きました。顧客側のプロジェクトマネージャーも何時も通りの無言で何の役にも立たなかったのは言うまでも無い、と言うのも付け加えられたのでした。
情報システム部長は「いや、実によく作られた資料だ」と感心するので私が「それじゃあ駄目でしょう」とたしなめて、どちらが顧客が分からないなあとも感じました。
この件では、情報システム部長は筆が立つ才能を遺憾なく発揮して、以後契約の窓口である私の上司である営業部長宛にメールで抗議とか説明を求めたのですが、肝心の営業部長は自分の問題ではないのでシステム開発を請負った事業部の問題だとして、メールを転送するのが当然のように発言をするようになりました。所謂責任逃れである、そういう事も自己保身のために行われたのですが、相変わらず社内では顧客がおかしいんじゃあないのという位にしか理解をしていないのもおかしいと感じていました。これは、システム開発が開始されてから社内ではずっとそういう雰囲気であるのは以前から書いていたとおりです。
この時に明らかになったのは、毎週システム開発の報告会議に出席していた常識ある人間であれば、システム開発の遅れはシステム開発を請負った事業部に問題があり発生しているのは、明明白白の事実だったと思います。それを、自分達の責任にしたくない事業部長とプロジェクトマネージャーが仕組んで相手を悪者に仕上げたということだったと思います。こういう事をやってのけるのは犯罪にはならないのでしょうか?という疑問が私にはありました。
同時に、この事実は社内ではコンプライアンスとか社内統制に引っかからないのが不思議で、自分たちさえよければよしという企業風土とか、顧客を顧客とも思わない単なる金稼ぎをする相手にしか見ない体質があったのだろうと思います。金を貰えればよしと言うのであれば、消費者金融でも始めた方がよかろうにとも思ったのでした。