プロジェクトが開始された時から色々なごたごたが起きたのですが、顧客のプロジェクトマネージャーは案山子同然に会議室の一番奥に座っているだけで発言もありませんでした。そういう中で基本計画と称する顧客の業務を整理するという仕事があり、システム開発を請け負った事業部の外注先の孫請けの中国人システムエンジニアは、顧客の話を聞いて業務フロー図や業務説明書を9カ月に渡り作り続けました。これは前にも述べたように、後の工程では使用しなかったものでしたので、明らかに単に数億円の契約費用を消化しただけの仕事でした。
毎週システム開発を請け負った事業部で、作成した業務フロー図とか仕様書を顧客に送付して、顧客はそれをチェックして修正箇所を指摘して返送するという仕事の繰り返しでした。
大人しい顧客は最初はしこしこと修正をしてはシステム開発を請け負った会社に返送していたのですが、どうしようも無い程にひどくなると、毎週開催されているプロジェクト会議で担当者から文句がでるのでした。担当者が困っているというのに、顧客のプロジェクトマネージャーは、そういう担当者を助けようとしてシステム開発を請け負った事業部のプロジェクトマネージャーや担当しているシステムエンジニアを叱責もしないのも不思議でした。システム開発を請け負った事業部の面々はこんな楽な顧客はいないなと夜な夜な酒の席で笑っていたのではないかと想像していました。
「修正したフローを送付したら、修正前のものが返送されました」「修正した箇所とは違う箇所が修正されていた」「修正したものがそのまま返送された」というような事実をプロジェクト会議で報告されると、受注した側の人間としてとても聞いていられるようなレベルではなかったので驚くばかりでした。
もっと酷いのでは「そもそも日本語になっていないので、一度文章を日本語に修正してから書いてある内容をチェックしなくてはならないのです」という事がありました。孫請けの外注先の中国人エンジニアがまともな日本語を書けないので出たクレームでした。
真面目な顧客の担当者毎日12時過ぎまで残業するので、帰宅するタクシー代が数百万円になり馬鹿にならんと情報システム部長が総務部長から御叱りを受けたという事も後ほどに聞かされた事実でした。
この時は当時の顧客の常務から私の勤務している役員が呼び出され、当の役員は神妙な顔をして手帳にメモをしていましたが、その後もこういう事態は解消されることはありませんでした。とりあえず話を聞いておけばよかろうというような無責任な対応でした。改善されなかった事実は、役員が顧客から話を聞いただけのメッセンジャーボーイであった事を証明しただけでした。
顧客とのプロジェクト会議の前日には社内で関係者が集まり、顧客との会議に提示する内容の資料をレビューするということをしていたのですが、それは形ばかりで何の役にも立っていないことを感じていました。プロジェクトがこういう状態で進んでいることに違和感を持っていたのは多分私一人だけだったのだろうと思います。システム開発の経験の無い関係者は一人の口先ばかりのプロジェクトマネージャーにしてやられていたのでした。
当時の私の上司であった営業部長もプロジェクトがごたごたしているのはシステム開発を請け負った事業部のプロジェクトマネージャーとの会話が少ないからではないかと誤解して、社内でも会話を増やしてくれという様な話をしていました。営業部長はそもそもシステム開発という仕事の中身を理解出来ないので表面ずらしか見えず、的外れな発言をしているのだなと思い聞いていました。物凄い勘違いしている管理職や役員がうろうろしているシステム会社だなと改めて感じさせられた時でもありました。