この顧客の仕事のなかでも一番厄介なのが外資系コンピュータ会社の保守という契約でした。第一余りの沢山のサーバーを導入しているので、どのサーバーを私が販売したのかさえも分からなくなるありさまでした。又、サーバーだけでなくサーバーで使用するディスクだけを販売をしたこともあり、最初の頃整理がほとんどできまでした。
又、同じ外資系コンピュータを癖のある課長はあちこちの代理店に分散して発注をしていたので、保守管理が十分にできていませんでした。それでも癖のある課長から時々は電話がかかって来て「保守が切れている、至急見積もりを提出してください」という督促があって、調べて見ると私が勤務していた会社が販売したものだと分かって、保守見積もりを外資系コンピュータ会社にお願いするのでした。
私が勤務していた会社からこのデータセンターを利用している会社に外資系コンピュータを販売する時、子会社の代理店を利用することも最初は多々ありました。というのも、癖のある課長はコンピュータを購入する時に利用する代理店をころころと変えて、と言うよりも手玉にとって自分の懐具合が一番よさそうな会社を選択していたようでした。結果として、データセンターには同じ外資系コンピュータ会社のホストコンピュータとかサーバーが導入されたのですが、一体どの機器がどの代理店経由で販売されたのか分からなくなるような事も一時ありました。これには管理上の問題ばかりでなく、機器の動作を監視する業務を請け負っている関係上問題があるというので、癖のある課長に「必ず当社にも連絡した上でサーバーを導入をしてください」という申し出をしたほどでした。
サーバーを導入して1年も経過した時に、外資系コンピュータ会社の代理店をしている子会社の営業マンから「もし・・・」と電話があり保守費用の請求連絡が度々くるようになりました。この子会社の営業マンは何故「もしもし」と言わないのか変だなと思っていましたが、それは保守契約が切れていて私に「遅ればせながら請求します」という図々しい依頼をしてきたからでした。理由は簡単で、外資系コンピュータ会社は保守契約が自動更新になっていて有無を言わせず代理店に請求がくるのでそれを私に伝えるのですが、問題はとっくに保守期間が終わっているのが問題でした。当然ながら私は癖のある課長に「保守が切れていますが、見積書を出します」と言わざるを得なくて嫌な思いを数えきれない程にしたのでした。
子会社の営業マンには「保守が切れる前に連絡しろ」と言っても改善されないので、外資系コンピュータ会社と私が勤務していた会社とで直接契約をするという変更をしましたが、これも子会社の承認が必要ということでしたが強引に殆どの契約を変更して、保守契約を私自身で管理できるようにした頃にはサーバーの寿命も終わって入れ替えるというような事になっていたことが多々ありました。
急成長した会社だけにその場の思い付きでサーバーをどんどんと導入したつけを払わされたのかと思ったのですが、同時に子会社の誠意のない対応にも振り回されて、退職少し前まで気苦労が絶えない仕事になっていました。

癖のある課長には、保守が切れていると「これじゃあ、お宅で費用負担してもらわないと」と言うようなことも言われてドキッとさせられたこともあり、この会社の仕事の中でも一番嫌な思い出となっています。これも、年配の私だから何とか癖のある課長を抑えることができていたのかなと思ったのでした。
蛇足ですが、この外資系コンピュータ会社の保守の見積もりも一見すごく厳密で正確に作られているように見えたのですが、ある時に担当者が病気で休んで代理の担当者が見積もりを作成すると以前よりも高くなっていることがありました。理由を尋ねると「私はルール通りに作成しているだけですよ、前の担当者が抜かしたのでしょう」と言い訳を言っていました。全く同じ構成なのに担当者によって保守費用が変わるなんというのは非常識な会社だとは思いましたが、顧客にはそのまま伝えると渋々ながらも受け入れてもらいました。顧客と外資系コンピュータ会社とは、癖のある課長へのリベートとかを話をしていている中での事だと思うと理解が出来るように思えるのでした。