情報システム部の癖ある課長からは何度か返金を求められることがありました。私の勤務する会社との取引を始めてから10年位の間に、最初の頃と最後の時期にそういう事件が起きました。
当然ながら全て私は自分自身で解決したのですが、私の勤務する会社ではそういう事態になると普通のサラリーマンばかりで全員が「頼みます」というのを口にさえ出さないで放っておかれるのでした。
データセンターでのインターネット接続サービスを開始してから2年後位に、インターネットの回線が通信業者の設備故障で何秒か停止することがあり、正直にこの癖のある課長に報告したら「停止した分、返金して下さい」と電話口から正々堂々と言われたので驚きました。
普通のサラリーマン会社では考えられない発想でしたが、この癖のある男はそういうことも当然と言う風に思っていたし、上司もそういう常識外の行為に対して何の注意もするどころか黙認していたようでした。こういう場面に遭遇すると、この会社が個人商店から急激に膨張しただけの会社で世の中の普通の会社の様には付き合いえないと感じたのでした。
私の勤務していた会社では、こういう事件が起きても全部自分で始末をつけないといけないし、第一こういう事件が起きても知恵がでないので誰一人として助けにはならないのでした。社内では誰も謝罪文だけでなく、私は返金金額を精細且つ出来るだけ少なくなるように考えて数万円弱の返金処理も内々に処理して始末をつけました。
つい5年程前に起きたのは1000万円も返金を要求してきた時でした。この癖のある課長が100億円のシステム刷新を画策したのですが頓挫して、社内で少しでも評価が悪くなるのを避けようとして請求をしてきたものでした。この開発の大半は外資系コンピュータ会社が担当して、私が受注したのは数億円程度というものでした。理屈から言えば、100億円も受注した外資系コンピュータ会社に請求すればよいと思ったのですが、癖のある男はそこには一切請求をしなかったことを考えると、外資系コンピュータ会社とこの癖のある男との間には何か裏取引でもあったのかと思わざるを得ませんでした。
そういう裏での約束は一切ない契約を基に仕事をしていたのですが、癖のある男は会議では口頭でどんどんと方針を変えて指示を出し、私の勤務していた会社のシステムエンジニアは仕方なく対応していたようでした。会社の方針でプロジェクトが中止にさせられた途端に、契約書に書いてあって納品できていないものは返金と言う変な理屈を持ち出したのでした。
この時は情報システム部長が途中で交代して転職してきた部長が上司になり、この部長がいまいち押しが足りなかったので助かりましたが、返金できない理由は全て私自身が理屈を構築して1年ほどもかかり何とか返金しないで済ませたという事件でした。上司である営業部長を毎回支払わないという説明の会議に同行してもらいましたが、お飾りだけに終わり何の役にも立ちませんでした。詳細は後ほどに書くことにして、こういう事件があったのですが、私の勤務していた会社からは何の慰労の言葉もありませんでした、この時も本当に情けない会社だと再認識をさせられたのでした。
この大きな開発とは別に、少し遅れて私が面識のあるシステム会社がこの会社から数千万円でシステム開発を請け負っていたのですが、納期が遅れた時にやっぱり1000万円を請求されたという話を聞きました。現場に損害が出たという説明をしていたという事でしたが、それは口実だろうと思いましたが、このシステム会社は返金したという事を聞いて驚かされたのでした。この癖のある課長の脅しが利いたのかなと思ったのでした。
こういう話と言うのはまともな会社では起こりえない話ですが、そういう事を正々堂々とするところが個人企業が膨張した会社のモラルの低さでもあるのかなと感じた時でした。
ある意味では貴重な体験をしたということでしたが、私にとっては非常に嫌な思い出として消したくても消えない染みの様に残る事件を経験したということになりました。