飲料販売会社のシステム開発はほぼ予定通り終了したときには、情報システム部長が交代しました。データセンターを決めた小太りの恰幅の良い部長は小会社の熊本支店長として異動になりました。これは以前にも書いたとおり、親会社の意向に従わなかったということが理由であったらしいということでした。次の異動になったのは、親会社の情報システム部から来ました。新任の情報システム部長は、関東出身で関西には単身赴任していたということでした。高校時代はバスケットをしていたというだけあって背の高い頑丈そうな体の若い人でした。社内の会議でも自分から「さわやかでしょう」と言って、さわやかを売り文句にしていました。

新情報システム部長が異動になってから、私が勤務していた会社の関西支社で開発したシステム開発も終了したので打ち上げをしようということになりました。
最初は新宿の飲み屋の一角を貸し切りました。総勢30人以上はいたのでわいわいがやがやと賑わっていました。関西支社のシステムエンジニアも10人くらいはきていたと思いますが、お客様の方が大勢でした。飲料販売会社の情報システム部では、こういう飲み会が少ないのかなとも感じたほどにお客様はおおいに盛り上がっていました。
当然二次会というのでカラオケに行きましたが、この時は私一人と後は全員が情報システム部員というような組み合わせでした。酒が飲めない私には単にお付き合いというような意味合いしかありませんでしたので、カラオケ店では早く終らないかなと思っているばかりでした。下手な歌も歌い終わってカラオケ店をでたのが午前0時くらいでした。当時はそんな時間でも飲み屋街はネオンが輝いていて、酒の好きな人は夜明けで飲んでいられるくらいでした。
私はもう帰りたい一心で、これ以上お付き合いはできないなあと感じていました。その時に若い女性が「おいしい焼き鳥が食べられる店があります・・・」と新任の情報システム部長に懇願していました。私はさすがに「済みませんがここで失礼します」と言って逃げるように帰宅したのでした。「さわやか」を売りにしている新任の情報システム部長は困惑した顔をしながら、その女性の行きたいという店に行ったようでした。
その時の感想は、情報システム部長は部下のためにある程度の小遣いをもっていないと勤まらないのではないかと思いました。支払いもある程度は私が負担しましたが、その時の情報システム部長の財布は札束で相当に厚かったというのが記憶に残っています。