7月にデータセンター営業グループに異動後、新しい客先をノミネートして訪問を始めたのは8月初めくらいからでした。殆ど毎週切れ目無くノミネート客のアポイントを取って訪問しました。
情報システム部長というのは一般的には割と暇な管理職というのは過去の経験から分かっていたので、アポイントを取るのはそれほど難しいことではありませんでした。それよりも、「見知らぬ相手に会ってもいいぞ」というメッセージをどう伝えるかというのに苦労しました。こういう場合に名の知れた親会社を語るのは効果的だと感じました。件の通信会社の設備工事では親会社の高い見積金額に泣かされていたので、親会社を語るには少しばかり抵抗がありましたが、そうも言ってられないので仕方なくそういう興味を引きそうなキーワードを並べたのでした。又、当時はデータセンターそのものも割合に少なかったので、興味をそそられるような話題だったのだろうとも思いました。

情報システム部長と言えば、あらゆるベンダーから商品の売り込みに来るので、情報システム部には渉外係がいて新しいベンダーの営業窓口になっている会社もあるほどでした。しかしながら、私の場合は殆どの会社で情報システム部長に直接面談してデータセンターを含めて色々なサービスがあるという宣伝をしました。
一義的にはデータセンター紹介であっても、たまたまサーバーの更新があって合い見積りを依頼されたりする事がありました。それはそれで、ベンダーから見積もりをもらって見事に安値の受注が出来たりしたこともありました。当然ながら合い見積りをさせられたベンダーからはいぶかしく思われてたことがあったような一件もありました。
そんなおまけみたいな商談の対応もしながら、データセンター紹介の仕事は6ヶ月くらいは続けました。

相手の情報システム部長は多分若造が来ると想像していたら、中年のやたら情報システムに詳しい礼儀正しい営業マンが現われて驚いたと思います。普通のベンダーならば入社後4・5年の若造に経験を積ませる意味合いで新しい顧客を訪問させるというところですが、課長・部長クラスの中年の男が「始めまして」と挨拶をして商品のを紹介していたので、対応も丁重になっていたと感じることは多々ありました。
それでも中々データセンターを検討をするという様な話は無く月日ばかりが過ぎていきましたが、特段に失望することも無く続けることが出来ました。それは多分の自分の個性化も知れませんが、粘り強いという事と共に使命感みたいなものが芽生えていました。毎日夕方に仲間内でビールを飲んで帰るだけの営業グループの連中からみれば、変な奴がいるものだと思われていたのだろうと思います。