通信会社の設備課長からデータセンターの敷地内にアンテナ鉄塔を建築したいという話が持ち上がりました。他の通信業者とアンテナで通信をしたいという要件が出たからということでした。
その後、電波による通信だけではなく光回線も2ルートで引き込む必要性が出て、これはルートを決めてから敷設するルートの地主に許可をお願いして工事をしました。

アンテナ鉄塔を建築するというので、設備課長からは自分でもあちこち業者を当たっているが安く建築したいので、私に業者を当たってほしいとの要請をうけました。
費用は約1億円ということでしたので、これより安くできる業者を当たりました。何社かに電話するとこの鉄塔案件は業者間で情報が共有されていて、何処に電話しても費用は1億円ですという答えしか返ってきませんでした。
設備課長に「費用は何処も同じですよ」と連絡すると「あいつらは何時も談合するからね」という答えが返ってきました。その後、試しにもう1社に電話で尋ねると「工場が空いているから7千万円でやってもいいよ」という話が返ってきて工事を発注することになりました。1億円の予算を7千万円に費用圧縮したので、設備課長には少しは貢献を認めてもらえたような気がしました。
しかしながら、当時の上司である営業部長はアンテナ鉄塔建築という事に対して理解が無いので注文は受けたくないと判断しました。営業部長は、敷地内の地盤工事をする親会社の建築事業部にこの注文を渡してほっとしている様子でした。訳のわからない売り上げなんか欲しくないという事だったのでしょうが、その後詐欺事件にも遭遇したのは営業経験が浅いというか、注文をもらうという苦労を知らないということかなと思いました。

この工事についてはもう一つ因縁がついていて、アンテナ鉄塔工事の設計を行う時に、親会社の関連業者にお願いしたのですが、通信会社の設備課長から3百万円という予算を言い渡されていました。私が受注して発注をしたのですが、その後業者からは7・8百万円かかりますと言われたので設備課長に伝えると、費用は増額出来ないと言われました。そのまま業者に伝えるとその時は了解をしたような返事がありました。
この業者は設計を受注すれば1億円のアンテナ鉄塔工事が自然に受注できるものと思って、不足する設計費用をアンテナ鉄塔工事費用で穴埋めできると思っていたのでした。
しかしながら、設備課長は工事は別会社に発注することに決めたので、設計した会社はあわてて設備課長に増額を要請したのですが、設備課長は決まった費用で契約していると譲らず、設計した会社は費用はもらえませんでした。こういう業者泣かせの取引をしているのに疑問を感じたのでした。