非常に特殊な目的で利用する機械だったので、理屈が先にたつ人には理解されて利用方法もそれなりに考えてくれる人もいました。
しかしながら、或る小さな町工場で設計をしている部長さんが「もう機械の機能は十分勉強したので使いこなせるんだ」と言って早々に導入を決めてくれたのはよかったのですが、目的には少々ちがうのではないかと思い逆に「本当に大丈夫ですか」と聞き返したことがありました。

機械の導入のためにその会社を訪問すると、油の匂いが漂う小さな部屋に社長が待っていて「何とか金を工面しました。漸くリースができるようになってね」と小さな町工場だけに高価な機械だというのを知らされました。
機械を導入する設計室に行くと、技術部長さんが待っていて「こういう図面を利用するんだ」と説明されたのですが、その時も利用目的には完全に合致しないと思いました。
完全に誤解をしているのを説得も出来ずに機械を導入してインストラクターを1週間程派遣し教育をして終わりでした。

その後、そのお客様には多忙にかまけて訪問することも無く段々と忘れていきましたが、その後どうなったんだろうという不安が時々頭をかすめることがありました。