静岡県の自動車関連会社に機械を販売した時の話です。
コンピュータメーカーで機械の説明会を開催していた時、説明を聞きに来ていた大手機械商社の営業マンと知り合いになり、この営業マンがお客様を紹介してくれました。私は東京から新幹線で三島駅に行って、三島からは商社の用意した営業車でお客様の工場に行きました。午前中は移動で、午後からお客様に訪問する予定でした。

午後1時までに時間が2時間もあるような早い時間に待ち合わせをしたので、私は事前に打合せでもするのかと思っていたのですが、最初に行ったのは柿田川の湧水地でした。非常にきれいな湧水を見て、これが富士山から出てくる水かと思って少しは感激しました。
それから「ここらは鰻が名産なんでね」と言われて立派な昔の日本家屋作りの鰻屋に案内されました。この営業マンは度々この店に来ていると思われて、なれた様子で鰻の蒲焼を注文しました。
最初に出てきたのが小さな小鉢に入った赤いどろどろしたようなものだったので「これは鰻の血ですよ。精がでますからどうぞ」と言われたので、少し気持ち悪いと思いながら断るわけにもいかないので、一気に飲みました。美味いものでも無いという感じでした。肝心の鰻の蒲焼は勿論非常に美味しかったと思いました。親切心だったと思いますが、突然奇妙なものを食べさせられて驚いたという経験をしました。
この鰻の血を飲んで精が出て説明に一層力が入ったのかどうかは分かりませんが、この後で訪問したお客様からはちゃんと機械を買ってもらえました。

この営業マンは三島に行くたびに接待をしてくれたので、三島のマグロ丼も名産だと言ってご馳走してくれたりしました。少しは三島の名産というのも勉強した機会でした。