地下鉄神谷町から歩いて六本木とは反対に歩くと東京タワーがあります。何時もはホテルオークラの横の坂道を上がってスペイン大使館の横を六本木通りに下りて事務所のあるビルに通勤していました。
通常は夜は7時から8時には帰宅をしていましたが、お客様からの宿題などを処理していて少し遅くなるときがありました。ビルの上下を移動するときに非常階段を使用した時、階段の窓から東京タワーのライトアップがきれいに見えた記憶があります。
 
写真に残したいと思ったほどでしたが、せわしない毎日の仕事でそういうことはとうとうできませんでした。ライトアップされて赤く見える東京タワーを、静まり返ったビルの階段で眺めているときが精神的には休憩時間になっていたのかと思いました。それほど毎日がざわついた日々だったのかなと思いだすことがあります。
 
今思い出してみると、職場では新参者で疎外感があり、業績を上げるのに血眼になっていたので、こういう一幅の光景が心に焼きついたのかもしれません。写真撮影してみればつまらないものだったのだろうと想像できます。
心理的な切迫感から、つまらない景色でもちょとした色の印象が普通とは違って見えるという経験をしたのだろうと、20年も経って分かったのかなと思いました。