平成元年に転職してから暫くは六本木の赤提灯だけでなく、当時六本木の交差点近くにあった焼肉店や中華料理店にも時々行きました。
そういう時の支払いはすべて営業の責任者である私と同い年の男がカードで払っていたので、全部交際費で処理しているのかと思っていました。
 
ある日その男が私に「酒代のつけが50万円ほどあり、処理を考えてほしい」という依頼がありました。丁度その時私が新しいカタログを作成していましたので、業者にその50万円を製作費に加えてもらい何とか処理をすることができました。同時に、私はこの男から推薦されて入社した恩義もあったので、この時は少しは役に立ったのがうれしく思えました。
これから以後この男とカタログを見て話をする時に「酒臭いカタログですな」というようになりました。
 
この会社では新規事業をやるにあたって色々な業者が出入りして社員が金品を貰うことが横行しており、あからさまに商品券を部長に届けている業者を見ていましたので、このくらいのことはたいしたことでは無いという気持ちでした。
自分の出世と金をもらうことくらいしか考えていない部長連中が横行している事業部に嫌気がさしてくるのにそうは時間は掛りませんでした。