その一)
25年も以前、短い期間でしたが私の上司だった課長の話です。この男は優男であったせいか飲み屋ではもてたようです。酒も飲めるので部下の知らない場所と時間でしこたま飲んでいたようです。
しかしながら請求書が次々に来るので交際費での処理が追いつかず、仕方なく事業部では交通費を清算させてその金で酒代を支払うことにしました。金額は百万単位だったのでその男は朝から晩まで毎日交通費の清算書を必死になって書いていました。

その二)
この男は漸く課長になったのを機に交際費を自由に使えるようになって管理が出来ず使いすぎたという事でした。当然自分が自由に交際費を使うので部下にも「必要なものはどんどん使っていい」と公言していました。
私は自分でも酒を飲むでもなく、当時は酒飲みのお客様もいなかったので精々外出先の昼飯代の請求書を出すのが精一杯でした。
この男も最後は何処かに異動したのですが、理由は仕事ぶりが激しいのではなく、この男が酒におぼれた結果そうしないと事業部が飲み倒されると思ったのではないかと推測しています。
人間的には仕事は出来ませんでしたが人当たりが良いので皆騙されたということでしょうか。世の中色々な人がいましたが、そういう人でもサラリーマンとして勤務出来たのは、世の中がぎしぎししていなかった時代だったからかもしれません。