その一)
CADの販売をするうちに、福山にあるプレス会社の作ったユニークなプレス機械用CADがあるというのでその会社を訪問しました。
私よりも10歳くらい年上の兄が社長で、弟の専務が技術担当という社員が30人ほどのプレス金型を製作する会社でした。
金型CADシステムは専務が開発したというもので、現場上がりだけに説明には説得力がありました。しかし会社の規模が小さいので使い勝手は良いとしても、サポートに不安があるので大手には売れませんでした。
専門分野のシステムだけに普通の営業マンには説明は難しく、東京の顧客への説明は何時もこの会社の専務を呼び出してはお願いしていました。専務は福山から寝台列車で東京に朝に到着し、それから顧客に説明に行くのが常でした。

その二)
それがきっかけで福山には何度も訪問しました。管轄は広島支店だったので飲み屋を紹介してもらいました。商店街の奥にある小さな店でしたが、瀬戸内海で獲れた魚料理や寿司が絶品の店でしたので記憶から消えません。
そのプレス会社見学の夜には接待されて、地元のクラブで酒を飲んでいたら、その駅前にある飲み屋の大将が寿司を出前してきましたので驚きました。社長曰く「この店の寿司が一番」と言ってました。この飲み屋の大将はつるつる頭で暴力団の親分みたいな顔をしていました。
又ある時は、このプレス会社の社長がこの飲み屋に会社から連れていってくれた時に、途中の堤防で停車して釣りをしている人から大きな平目を買って店に持ち込んで刺身にしてもらったこともありました。
それ程にこの社長は私のみならず他の営業マンも接待してくれたのですが、成果をだしたのは私だけでした。