その一)
本社からある支店に異動になった先輩の話です。東京に自宅があるので自分は単身赴任で支店で営業を担当していたそうです。
大都会とは言え東京に比べれば田舎の都市なので、町中のどこぞの飲み屋で悪口なんぞを言うと、どこをどう回っているのか分からない内に皆が知っているという不思議なことがあったそうです。
そんな街で暮らしている時の夜、パン屋で朝飯用のパンを買っていると、同じ店でパンを買っていた男がいて同類の単身赴任かなと思ったそうです。

その二)
コンピュータを或る会社に販売をして、いていよいよ最後に決まるという時にその会社の幹部に挨拶に行ったそうです。その時出てきたのがパン屋の男で、相手もよく覚えていて「おやおや」ということですんなりとコンピュータの導入を決めてもらえたそうです。
縁のある時は意外に話は調子よく進むもので、そういう好例を耳にしました。

その三)
縁の無い時は、上司を紹介したところで好感は得られずに、ますます印象を悪くするということを経験しています。
営業マンとして始めての上司は気の小さい男でしたが、この男は無理な押し付け販売していました。そういう得意先は何かのきっかけでさっさと縁を切りに来るものだというのも見聞しました。