その一)
高崎線吹上駅に私の担当のお客様がいて打合せで夕方から夜になるときがありました。冬場は空っ風がホームを吹く抜けるのでコートを着ていても凍えるので仕方なく駅の横の喫茶店で小休止したことがあります。吹上は熊谷に近いので埼玉県でも大宮近辺とは温度差が随分あるものだと実感しました。
喫茶店はそういう寒さを避ける客の待合室の役目もあったのか思います。この喫茶店では夜遅くなるときには必ず立ち寄りました。昼には眼の前で牛乳を入れて作ってくれた自家製のカレーを食べた記憶があります。

その二)
高崎線桶川駅の駅前に中華料理屋があって、お客様との打合せの後に夕方小腹が空いたときに、たまたま立ち寄って食べた焼きそばが美味くて驚きました。田舎の駅前の食い物屋には味は期待しないのですが、ここのは別物でした。以後は急ぎで帰るときにも持ち帰り用にパックに詰めてもらい電車の中で食べながら帰った記憶があります。

その三)
高崎線も3・40年も前は大宮を過ぎると家も少なく大いなる田舎の風情を残していました。駅名は忘れましたが、ある駅で昼時になり駅前3・4軒ある食堂も1軒だけ開いていました。普通の家庭料理を農家のおばさんが作っているように見えました。ここで焼きそばを頼むと、フライパンでそばを焼いて出してくれましたが、テーブルに置いてあった日に焼けてすっかり色落ちしている海苔を振りかけて食べた覚えがあります。

食物の思い出というのは人間の本能に近い出来事のせいか中々忘却のかなたにはいきません。