その一)
会社の独身寮には結局7年ほどお世話になりました。部屋代が安価という点と、共同トイレ・洗面台・洗濯場に浴場という設備に慣れれば安住できる場所でした。風呂は大きいのでとても毎日が温泉みたいなものでした。
会社の独身寮は2棟あって150人程の若い社員がおりました。入社当初は地理の右も左も分からず、東京近郊に自宅の無い人は全員入寮しましたが、2人の相部屋が嫌だという人や共同生活に抵抗を感ずる人はアパートに引っ越していきましたので、1年もすると一人一部屋になったのでした。

その二)
独身寮には管理人が夫婦で住み込みでおり、厨房には朝晩の食事をつくる人が住み込みで働いていたという時代でした。
当時は電話が各自の部屋には無いのでマイクで管理人が呼び出すというものでした。それに新聞も各自の郵便受けに入れるとかしていて管理人の仕事は結構大変だと思いました。
クリーニング屋はこの独身寮がドル箱だったと思いますが、毎日大量のワイシャツやシーツを持っていきましたが、数が多すぎて私のシーツを行方不明にされ弁償をしてもらうというような状態でした。
何か用事のある時は何でも管理人にお願いするので、夜の家族の団欒時にそういう依頼をするのが何時も心苦しいと思っていました。今でもその光景は思い出します、楽しみを中断されるというのは抵抗があるというものです。

その三)
食事は朝と夕方に出ました。栄養なんかを考えなくても良いのでとても便利でした。私は学生寮の貧しい食事ばかりを4年も食べていましたので、この独身寮の食事はとても美味しいと感じておりました。ご飯はお代わりが自由にできるのも若い男にとっては嬉しいことでした。残業のある時は事前申告すれば生ものを除いて夜8時まで網棚に保管してくれました。
独身者のアパート暮らしでは食事の支度が難しくて、当時はコンビニもなく準備をするためには土日にスーパーで買い物をしておく必要がありました。当時はどの店も店じまいは早く夜7時頃には閉めてしまうので、残業をしてから夕食の買い物をするなどというのは考えられないことでした。

その三)
独身寮には駐車場もあったので車好きの人には安価で駐車できるのでこれも魅力でした。当時の最新車が並んでまるでショールームではないかと言っていた人もおりました。