AI時代のキャリアについて、近ごろ考えさせられる出来事が増えています。
たとえば、米国では 「ブルーカラービリオネア」 という現象が起きています。
AIによってホワイトカラー業務が置き換わりつつある一方で、
配管工・電気技師・溶接、建設、メンテナンスなど、
“手に職を持つ仕事” がむしろ高収入化しているという報道です。
さらに衝撃的なのは、
会計士から配管工に転身して年収が3倍になったケース など、
従来の「キャリア神話」が大きく揺らぐ変化が起きていること。
これは一過性の話ではなく、
AI時代の職業構造そのものが再編されつつあるサイン に見えます。
■ 日本ではどうなるのか?
日本はこれから急速に人口が減り、
医療・介護・観光・建設・農林水産など、
“生活を支える仕事”の人材がさらに不足していきます。
しかし現実には、多くの若者が
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とりあえず普通科
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とりあえず大学
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とりあえずホワイトカラー職
というルートを選びます。
これは決して悪いことではありませんが、
自分の適性と社会のニーズがすれ違ったまま進んでしまう
という問題が起きやすい構造ともいえます。
AI時代に「逆転キャリア」が続出している背景には、
こうした“行き過ぎた学歴一本槍モデル”の限界もあります。
では、日本がこのまま旧来の教育制度を続けたらどうなるのか?
どこかで破綻する気配が漂っています。
■ この記事で提案していること:
――「高校教育の再設計こそ、人材供給デザインの要になる」
今回公開した記事では、
AI・人口減少・産業構造の変化を踏まえつつ、
日本の高校教育をゼロベースで組み替える必要性を議論しました。
その中心となる提案は、
◎ 専門技能を軸にした「新しい高校」の創設
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観光
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伝統工芸・クラフト
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建築・インフラ保全
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農業・漁業・林業・畜産のスマート化
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介護・医療アシスタント
…など地域産業と直結した教育を、高校段階から本格導入する。
◎ 各都道府県に「中核高」、複数の「サテライト高」を設置
全国ネットワーク化し、オンラインで相互に授業を受講できる仕組みも含む。
◎ 国内留学・企業インターンをセットに
若者が自分の関心に従って「学ぶ場所」を自由に選べるようにする。
◎ 専門課程卒業者は“高収入キャリア”に位置づける
最低年収500万円を国家目標として掲げ、
技能・技術職を「誇れる職能」として再価値化する。
こうした提案はただの教育論ではなく、
「日本の供給力をどう再建するか」
「AI時代にどんな働き方を選べる社会をつくるか」
という、より大きな問いに直結しています。
AIが急速に進化し、
これまで“安泰”だと思われてきた仕事が揺らぐ一方で、
人の手と身体でしかできない仕事、
地域に根ざした専門技能を持つ人たちの価値が高まっています。
これからの日本が必要とするのは、
「AIでは置き換えられない、人間の技能を磨く教育」
「何度でもキャリアを切り替えられる仕組み」
「学び直しと挑戦を支える社会的共通資本」
ではないでしょうか。
今回の記事では、
米国の変化、LIFE STAGE NAVIの連載で考えた個人の働き方、
そして ONOLOGUE2050 で議論してきた供給力デザインの視点――
この三つを結びつけながら、日本の“次の教育モデル”を考えました。
AI時代をどう生きるのか。
「逆転キャリア」は、決して例外的な成功物語ではなく、
これからの日本社会全体が向き合う課題であり、チャンスでもある
と強く感じています。
■ 記事はこちらから読めます
⇒ AI時代の逆転キャリアと高校教育改革|人材供給デザインとしての「技能価値社会」への転換点 - ONOLOGUE2050